研究分担者 |
SOLTWISCH H. ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
ESSER H.G. ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
WINTER J. ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
PHILIPPS V. ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
FINKEN K.H. ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
小越 澄雄 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (60134459)
伴野 達也 東京大学, 工学部, 講師 (70189736)
庄司 多津男 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50115581)
野田 信明 核融合科学研究所, プラズマ制御研究系, 教授 (10144172)
PHILIPPS V ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
上田 良夫 大阪大学, 工学部, 助手 (30193816)
H.G. Esser ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
J. Winter ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
V. Philipps ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
K.H. Finken ユーリッヒ総合研究機構, プラズマ研究所, 研究員
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
今年度は本共同研究の最終年度にあたり,ペレット入射実験,高周波バイアスリミター,高Zリミター実験のそれぞれについて結果をまとめ,次の階段でこれらを総合した設計,実験を行うための基礎を固めることを目標とした。 ペレット入射実験では,これまで入射直後の水素リサイクリング減少が実験的に確認されていたが,それに加え,条件によっては局所的な電流分布に変化が現れることも確認された。また、新しく稼働を始めた水平方向の遠赤外線レーザーポラリメータにより、鋸歯状波中のMHD振動成長過程の詳細なデータが得られ、従来カドムツェフらの唱えたモデルでは説明できない現象であることが確認された。現在詳細な解析を続けており,粒子輸送やエネルギー閉じ込め改善との関係について新しい知見が得られる見通しである。 高周波バイアスリミター実験は,94年の実験でリミター付近の密度制御が実証されたものの目標としている熱流制御の実証ができなかったことを受け,高周波電場を強くするための改良を行った。リミターエッジの近傍の高周波電場の強度が前回実験の3倍になっていることが確かめられている。95年8月,96年1月の大気開放時に調整を行い,実験は96年3月から実施されている。熱流に関する効果の最終的な結論は今回の結果で明らかになる。 タングステンリミター実験は,11月〜12月に実験が集中的に行われた。また8月に和田氏がユ-リッヒに滞在し,以前の実験で得られたCCDカメラによる2次元測定データの解析を行った。実験では長パルス化された条件を活かし,1放電中に階段状に密度を変化させ,タングステン放射損失に起因する不安定性が起こる密度限界の精度を向上させた。また,ネオン入射によってプラズマ中心部へのタングステン不純物集積が起こることを確認し,この条件に限れば中性粒子加熱時にも放射損失による不安定性が起こることをはじめて確認した。これまでの結果と合わせると,高Z不純物がプラズマの不安定性を引き起こし,プラズマの性能に著しい影響を与える条件は密度の高いジュール加熱時と,ネオン注入を行った中性粒子加熱時に限定されており,高周波加熱時には常に不純物がプラズマから掃き出される傾向であることが結論できる。最後の高周波の効果を除いてはほぼその原因も解明されている。スパッターされたモリブデン,タングステン等の中性原子の電離自由行程が小さいこと,したがって再堆積の確立が大きく,損耗の減少,プラズマ混入抑制という歓迎ずべき効果を与える事も再度確認された。これらの結果は,高Z材料の将来性に明るい材料を与えており,世界的にも注目されている。 ここまで得られた高Zリミター実験で得られた結果を要約すると、 (1)ジュール加熱放電時に、ある限界密度をこえるとモリブデン、タングステン等の不純物イオンの中央集積が起こり、過剰な放射損失によって不安定性が生ずること。このときの不純物濃度は電子密度に対し〜10^<-5>であること。 (2)ネオン入射によっても不純物集積は助長され、中性粒子加熱でも条件によっては放射損失に起因する不安定性がおこること。 (3)リミター表面からスパッタリングされて出るMo,Wの中性原子の電離衝突平均自由行程は、プラズマの平均密度が3×10^<19>/m^3以上では十分短く、予言されていたprompt redepositionは実際に十分起こり得ること。 (4)重水素に対するリミター表面の見かけ上のスパッタリング率の電子温度依存は予想より小さく、酸素、炭素等の軽元素イオンによるスパッタリングの寄与が大きいことを示す結果になっていること。 (5)モリブデンリミターが溶融する条件でも、周辺部のシールデイングによりプラズマ中へのMo侵入は小さいこと。 TEXTORの実験が注目を集めつつあることのひとつの結果として、96年5月にフランスで開催予定の第12回プラズマ・表面相互作用国際会議に野田教授が招待講演を依頼され、高Zプラズマ対向材の総合講演を行うことになった。また、中国の合肥研究所では、野田教授の指導のもとに、TEXTORの結果を再チェックとTEXTORでまだ実施できていないリミターバイアス実験を開始している。 このように、柱となる3課題で、本共同研究は着実な成果を得てきた。とくに高Zリミター実験では期待以上の成果を得ることができた。本共同研究の最終的な目標はこれらの結果を踏まえ、高Z材とバイアス法をポンプリミターに加味した総合的な設計に進ことであるが、3年間の研究によってその基礎が十分に確立されつつあると言うことができよう。さらに、周辺プラズマのより精度の高い測定をめざす共同研究をスタートさせることもでき、共同研究の目的、目標はほぼ達成することができた。この成果を次階段を研究に発展させていく所存である。
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