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インドネシアにおける殺虫性タンパク質(ICP)産生菌の分離と遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 05044116
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関北海道大学

研究代表者

飯塚 敏彦  北海道大学, 農学部, 教授 (50001441)

研究分担者 LAY Bibiana  ボゴール研究所, 準教授
佐原 健  北海道大学, 農学部, 助手 (30241368)
浅野 真一郎 (浅野 眞一郎)  北海道大学, 農学部, 助手 (60222585)
伴戸 久徳  北海道大学, 農学部, 助教授 (20189731)
研究期間 (年度) 1993 – 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワード殺虫性タンパク質(ICP) / バチルス・チューリンゲンシス(BT) / cry遺伝子 / 微生物農薬 / 土壌細菌 / Bacillus thuringiensis / ICP遺伝子 / PCR / DNAプローブ
研究概要

殺虫性タンパク質(ICP)を産生するBacillus thuringiensis(BT)は、ICPの特異的な殺虫活性により広く微生物農薬として利用されており、近年多くの新しい性質を有しているBT菌株が数多く世界各国の土壌より分離されている。
本研究では、従来のBTの生態を考慮し、土壌温度が好適で、湿度が保たれ、さらに昆虫種のバラエテイに富んでいる熱帯雨林の土壌をターゲットとしてインドネシア・ジャワ島各地の土壌からBTの分離を試みた。共同研究者である、ボゴール農科大学のDr.Bibianaによれば、インドネシアの土壌からは日本、アメリカならびにヨーロッパ各地の土壌より高頻度でBTが分離されることが報告されており、昨年度の調査による多くのBT分離株を得た。今年度は、昨年度の調査において多くのBT分離株が得られたような地点(大きな樹木が有る場所)と、よくBTが分離されることが報告されている桑園の土壌ならびに桑葉・蚕の糞からBTの分離を試みた。その結果、インドネシアジャワ島において約50地点の土壌・蚕室の残さ等をサンプリングし、30株以上のBT菌株を得た。これらの菌株については、H-serotypeによる同定を行った。その結果,亜種thuringiensis,alesti,sumiyoshiensis,sotto,darmstadiensis,aizawai等、さらに同定できないような新しいBT菌株も存在していた。現在引き続き分離ならびに分離株のcry遺伝子の同定、鱗翅目昆虫(カイコ、コナガ、ハスモンヨトウ)ならびに鞘翅目昆虫(ウリハムシ、ニジュウヤホシテントウ)に対する殺虫活性検定を行っている。
昨年の共同研究ですでに、60株程度の分離菌株を得、それらの菌株についてはH-serotypeによる同定ならびに独自に開発したPCR法を用いたcry遺伝子同定法によりcryI・cryII・cryIII・cryIV・cryV遺伝子について調査を行った。これらの昨年の研究で得られたBT菌株の殺虫活性について、カイコ・コナガ・ハスモンヨトウ・ウリハムシ・ニジュウヤホシテントウについての殺虫活性検定を行った。
その結果、コナガならびにハスモンヨトウに対して強い殺虫活性を示す菌株が数株得られた。これらの菌株は、H-serotypeによる同定により亜種kurstakiに分類された。しかしながら、kurstakiに同定される菌株では従来ハスモンヨトウに対する殺虫活性は報告されておらず、今までにない新しいBT菌株であることが明らかとなった。それらの菌株の内、INA02菌株についてはハスモンヨトウに対して殺虫活性を示すcryVに分類される遺伝子のクローニングならびに遺伝子構造解析を行った。
亜種sottoに同定された菌株の中に、これまでに報告のない双翅目昆虫(ヤマトヤブカ)殺虫活性を示すような新しいタイプの株が存在していた。この菌株(SKW株)の羽翅目昆虫に対する殺虫活性を示すICP遺伝子の同定を試みた。その結果、この菌株はcryIIに分類される遺伝子が同定された。このcryII遺伝子についてはクローニングならびに遺伝子構造解析を行った結果、cryIIA遺伝子に類似した遺伝子であった。この遺伝子については、今後このSKW株のcryII遺伝子の持つ活性について本来のcryII遺伝子との殺虫活性判定との比較を鱗翅目ならびに鞘翅目昆虫に対して詳細に調査するつもりである。また、亜種tenebrionisに同定されたINA67菌株は、鞘翅目昆虫(ニジュウヤホシテントウ)に対する殺虫活性を有する分離株で、従来、鞘翅目昆虫に対して活性が報告されているcryIII・V両遺伝子は同定されず、現在この株のcryI遺伝子のクローニングならびに構造解析によりcryIBならびにcryIE遺伝子の存在が確認され、これらの遺伝子の殺虫活性について今後さらに検討する必要があると考えられた。このようにインドネシアの土壌からはまだ数多くの未知なるBT菌株の分離されることが予想され更なる詳細な調査を行う。

報告書

(2件)
  • 1994 研究成果報告書概要
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] HASTOWO, S.: "Naturally occurring Bacillus thuringiensis in Indonesia." J. Appl. Bacteriol.73. 108-113 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 佐々木潤: "Bacillus thuringiensis 分離株のcryV遺伝子の検索と発現。" 東北蚕糸研究報告. 19. 33 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SASAKI, J.: "Insecticidal activity of the protein encoded by the cryV gene of Bacillus thuringiensis kurstaki INA-02." Appl. Env. Microbiol.(submitted).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] IIZUKA, T.: "Biotechnology of Bacillus thuringiensis and its impact to the environment.[Isolation and identification of Bacillus thuringiensis isolated from soil in Japan]" (in press), (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] LAY, B. W.: "Biotechnology of Bacillus thuringiensis and its impact to the environment.[Diversity of Bacillus thuringiensis isolated in Indonesia]" (in press), (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] HASTOWO,S., B.W.LAY & M.OHBA: "Naturally occurring Bacillus thuringiensis in Indonesia." J.Appl.Bacteriol.73. 108-113 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SASAKI,J., S.ASANO,H.BANDO,T.IIZUKA,B.W.LAY & S.HASTOWO: "Identification and expression of cryV gene for several Bacillus thuringiensis (BT) isolates." 19. 33 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SASAKI,J., S.ASANO,T.IIZUKA,H.BANDO,B.W.LAY,S.HASTOWO & T.YAMAMOTO: "Insecticidal activity of the protein encoded by the cryV gene of Bacillus thuringiensis kurstaki INA-02" Appl.Env.Microbiol.(submitted).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] IIZUKA,T., J.SASAKI,S.ASANO & H.BANDO: (in press). Isolation and identification of Bacillus thuringiensis isolated form soil in Japan. "Biotechnology of Bacillus thuringiensis and its impact to the environment", (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] LAY,B.W., S.HASTOWO,S.ASANO,H.BANDO,T.IIZUKA & M.OHBA: (in press). Diversity of Bacillus thuringiensis isolated in Indonesia. "Biotechnology of Bacillus thuringiensis and its impact to the environment", (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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