研究課題/領域番号 |
05044126
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
栗原 良枝 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90017715)
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研究分担者 |
りゅう 小ずう 昆明植物研究所, 研究員
胡 忠 昆明植物研究所, 教授
片平 正人 横浜国大, 工学部, 講師 (70211844)
増田 豊 昭和大, 薬学部, 助手 (10255862)
中谷 一泰 昭和大, 薬学部, 教授 (40053855)
HU Zhong Kunming Institute of Botany The Academy of Sciences of China
LIU Xiaozhu Kunming Institute of Botany The Academy of Sciences of China
〓 小〓 昆明植物研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | マビンリン / 耐熱性タンパク質 / 甘味タンパク質 / cDNA cloning |
研究概要 |
1.平成6年10月1、2日に雲南省昆明市郊外の生産地にてバビンロウの実を採取した。 2.Capparis masaikai Lev1.(フウチョウソウ科)の種子からフェノール-SDS法により全RNAを抽出し、オリゴ(dT)_<15>をプライマーに用いて、M-MLVリバーストランスクリプターゼにより一本鎖DNAを合成した。これをテンプレートとして、マビンリンIIのアミノ酸配列(A鎖Q^1LWRCQおよびB鎖C^<67>PFRAW)をもとに設計したプライマー(5´-AGCATATGCA(AG)(TC)TITGG(CA)GITG(TC)CA-3´および5´-CGGATCCCTACCAIGCIC(GT)AGAAIGG(AG)C-3´)を用いてポリメラーゼチェーン反応(PCR)を行った。これにより増幅されたDNA(約380塩基対)をT4DNAポリメラーゼにより末端を平滑化し、pUC19のSmaIサイトにライゲーションした。これを用いて大腸菌MV1184株を形質転換し、得られた形質転換体を培養後、これよりプラスミドを精製した。Sanger法により塩基配列を決定した結果、このクローン(MABPCR)は成熟マビンリンIIA鎖33残基、リンカーペプチド14残基および成熟マビンリンIIB鎖72残基をコードしていることが明らかになった。 3.1で得た全RNAからオリゴ(dT)ラテックス粒子を用いてpoly(A)RNAを精製した。これをテンプレートとしてGubler-Hoffmanの方法により二本鎖DNAを合成し、λgt10ファージベクターに組み込み、cDNAライブラリーを作製した。放射性同位体^<32>Pにより標識したMABPCRをプローブとして、このcDNAライブラリーよりマビンリンIIcDNAのスクリーニングを行った。約10万個のプラークから複数個の陽性クローンを得た。これらのうち最も挿入断片の長いクローン(約630塩基対)をpUC18を用いてクローニングし、その部分塩基配列を決定した。この結果、このクローンは成熟マビンリンIIの上流にN末端延長ペプチド35残基をコードしていることが明らかになった。このN末端延長ペプチドは、PerlmanとHalvorsonおよびvon Heijneの法則から、シグナルペプチド20残基およびプロペプチド15残基であると推定された。以上のことから、マビンリンIIはプレプロ体のプロセッシングにより成熟タンパク質になることが示唆された。 4.MABPCRを大腸菌発現用ベクターpET-3aおよびpET-15bのNdeIおよびBamHIサイトにライゲーションし、これらを用いて大腸菌MV1184株を形質転換した。得られた形質転換体を培養後、これらよりプラスミド(pMAB-1およびpMAB-2)を精製した。これらのプラスミドを用いて大腸菌BL-21株を形質転換し、得られた形質転換体をアンピシリンを含むLB培地中で、600nmの吸光度が0.4〜1.0に達するまで培養した(37℃、約5時間)。これを4℃で一晩静置したのち集菌し、新たなアンピシリンを含むLB培地中で600nmの吸光度が0.8〜1.2に達するまで培養した(37℃、約3時間)。これにイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を最終濃度1mMになるように加え、37℃、1時間培養し、タンパク質の発現を誘導した。その結果、pMAB-1では新規タンパク質が全く発現しなった。一方、pMAB-2では抗マビンリンII血清と交差反応を示す新規タンパク質の発現を確認した。このタンパク質は分子量約15,000であり、これはマビンリンIIの分子量に近いことから、目的タンパク質であると推定した。なお、発現したタンパク質の大量精製および甘味活性については現在検討中である。
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