• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

内耳におけるアミノ酸神経伝達物質に関する共同研究 -中枢神経系との比較検討-

研究課題

研究課題/領域番号 05044145
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関弘前大学

研究代表者

宇佐美 真一  弘前大学, 医学部, 助教授 (10184996)

研究分担者 オッターセン ウレ・ペッ  オスロ大学, 医学部, 教授
OTTERSEN Ole petter  Oslo University Dept.of Anatomy Professor
ウレ・ペッター・ オッタ  オスロ大学, 医学部, 教授
研究期間 (年度) 1993 – 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード内耳 / アミノ酸 / 免疫組織化学 / 神経伝達物質
研究概要

1、研究成果概要
(1)種々のアミノ酸(glutamate,glutamine,aspartate,GABA,glycine,taurine,glutathion)に対する抗体を用い、内耳にどのようなアミノ酸が、どのような分布様式を示すのかについて検討した結果、各々のアミノ酸((glutamate,glutamine,aspartate,GABA,glycine,taurine)は一様の分布を示すのではなく、それぞれ以下のような特徴的な分布様式を示し内耳の機能に深く関連していることが明かとなった。
glutamate:内耳(蝸牛、前庭)の感覚細胞に分布し、求心性の神経伝達物質としての可能性が示唆された。しかしながらglutamateは感覚細胞に豊富に存在するものの、シナプス小胞とは一致した局在を示さず、中枢のglutamatergic神経終末とは異なる特徴を示すことが明かとなった。現在内耳にどのようなglutamate receptorやglutamate transporterが分布するか検討中であり、内耳におけるグルタミン酸神経伝達の特徴を明らかにしようと試みている。
glutamine:支持細胞に分布しglutamateの前駆物質として重要であると考えられた。特に末梢前庭では支持細胞に豊富に分布し感覚細胞から放出されたglutamateを取り込みglutamineに変えていることが推測された。この役割は中枢神経系においてはグリア細胞の役割として知られており、内耳において支持細胞はグリア細胞と同様の役割を演じている可能性が示唆された。
aspartate:蝸牛では主として外有毛細胞に分布し外有毛細胞の機能(運動性)や求心性の伝達物質に関与していることが明かとなった。また前庭感覚細胞にも分布し求心性の伝達物質に関与していることが推測された。末梢前庭ではaspartate陽性の細胞と陰性の細胞が混在しており、従来の形態学的な感覚細胞の分類(1型/11型)と異なる感覚細胞の化学的(機能的)分類が出来る可能性が示唆された。
GABA:内耳の遠心性神経の分布しacetylcholineとともに遠心性の伝達物質として機能していることが推測された。電子顕微鏡的に検討すると遠心性の終末に一致してGABAが分布することが明かとなった。またGABA陰性の遠心性終末も存在することが明かとなり遠 … もっと見る 心性の神経が機能的に異なる何種類かの神経に分類が出来る可能性が示唆された。
glycine:内耳の支持細胞に分布していることが明かとなった。現在内耳におけるglycineの機能的役割を明らかにする目的でglycine transporterの分布を検討中である。
taurine:蝸牛の支持細胞、内耳の血管内皮細胞、シュワン細胞に分布しており、細胞のvolume controlなどに関与している可能性が明かとなった。中枢神経系では浸透圧の調節に重要な働きをしていることが知られているが、内耳においても同様の働きをしていることが推測された。
glutahion:内耳のfibrocyteに豊富に分布することが明かとなった。内耳のfibrocyteは互いにgap junctionによるcommunicationが存在し、外リンパ液の組成維持などに関与していると考えられているが、glutathionがどのような機能的役割を持っているのかは今後検討していく予定である。
(2)内耳は血管分布か疎であり通常の中枢神経系のための潅流固定では良好な結果が得られないことが明かとなった。そこで現在は直接、内耳を固定するperilymphatic perfusion methodを用い検討している。また従来、一連の脱水、包埋操作により抗原性が失活するためレセプター蛋白などの局在を電子顕微鏡的に検討する事が出来なかったが我々は内耳に凍結置換法による試料作成を行ない良好な結果を得た。今後、これらの方法を用い内耳におけるアミノ酸の代謝経路、機能的役割を一層明らかにしていく予定である。
2、研究成果発表
以上得られた結果についてはInner Ear Biology Workshop (1994,9)、American Research of Otolaryngology(1995,2)において発表した。また蝸牛におけるtaurineの分布および前庭末梢におけるglutamate,glutamineの分布に関しては現在投稿中である(Usami and Ottersen.,The localization of taurine-like immunocreactivity in the rat organ of Corti,Brain Res.,in press,1995,Usami and Ottersen,Differential cellular distribution of glutamate and glutamine in the rat vestibular endorgans,Brain Res.,in press,1995)である。 隠す

報告書

(2件)
  • 1994 研究成果報告書概要
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Usami,S.: "The localization of taurine-like immunoreactivity in the organ of Corti" Brain Research. (in press). (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Usami,S.: "Differential cellular distribution of glutamate and glutamine in the rat vestibular endorgans" Brain Research. (in press). (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Usami, S.: "The localization of taurine-like immunoreactivity in the organ of Corti" Brain Research. (in press). (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Usami, S.: "Differential cellular distribution of glutamate and glutamine in the rat vestibular endorgans" Brain Research. (in press). (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Usami,S.,Ottersen,O.P.et al: "Differential cellular distribution of glutamate and glutamine in the rat vestibular endorgans:A post embedding immunocyto-chemical study." Brain Research. (発表予定).

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Usami,S.,Ottersen,O.P.,et al: "The localization of tuurine-like immunoreacfivity in the rat organ of Corti." Brain Research. (発表予定).

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi