研究課題/領域番号 |
05044151
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
平岡 昌和 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80014281)
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研究分担者 |
川野 誠子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00177718)
CORONAD Robe ウィスコンシン大学, 生理学教室, 教授
CORONADO Rob ウィスコンシン大学, 生理学教室, 教授
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | Ca^<2+>放出 / 筋小胞体 / リアノジン受容体チャネル / 人工脂質膜 / Cl-チャネル / リャノジン受容体チャネル / 小胞体 / 隣酸化 |
研究概要 |
(1)リアノジン受容体Ca^<2+>遊離チャネルの機能調節機構の解明 ウイスコンシン大学で精製した心筋小胞体標本を用いリアノジン受容体Ca^<2+>遊離チャネル(RyR)を人工脂質二重膜に再構成し、電圧固定実験により単一チャネル電流記録を行った。RyRの精製はウイスコンシン大学を訪問し、その精製技術を習うことにより、よりチャネル活性化の高い標本を作製するこが出来た。小胞体標本は正常豚及び、ウイスコンシン大学にて飼育している遺伝子的に悪性高熱症を有する豚を用いて精製した。これらの標本を用い今回はRyRの機能調節機構、特にMg^<2+>による抑制機序の詳細を検討した。実験結果の詳細な解析及びコロナド教授との意見交換、議論によりMg^<2+>によるRyRの抑制機序には少なくとも複数の機構の存在することを明らかにする事ができた。即ち、(1)Ca^<2+>による活性化部位でのMg^<2+>とCa^<2+>との競合によりCa^<2+>による活性化曲線が右へシフトし、の閾値Ca^<2+>が高くなる。(2)Mg^<2+>が直接チャネルの孔にプラグしてチャネルのコンダクタンスを減少させる。これらの結果を論文にすべく準備中である。この様にリアノジンチャネルからのCa^<2+>放出機構の調節の詳細を明らかにすることが出来た。 (2)心筋小胞体Cl-チャネルの機能的意義とチャネルのイオン透過性の研究 心筋小胞体にクロライドチャネルの存在することは既に報告しているが、今回はこのチャネルのイオン透過性を検討し、そのチャネル孔の構造推定を行った。その結果陰イオン透過性の順序は Br->Cl->I->NO_3->F-の順であり、これは器官上皮細胞に存在するCystic Fibrosis Transmembrane Regulator(CFTR)と同一であった。従って、小胞体のCl-チャネルは以前の研究で明らかにしたcyclic AMP依存性燐酸化によって活性化されること及びチャネル孔のイオン透過性の同一であることよりCFTRと類似のチャネルであることが示唆された。 コロナド教授はクロライドイオンにより筋小胞体からのCa^<2+>放出が促進される事を新しくる突き止めており、筋小胞体に存在するこのCl-チャネルとの機能相関の検討を協力して行った。また我々は細胞膜に存在するCl-チャネルとこれら小胞体のチャネルとの相互機能をも含めて今後の研究の発展に関して討議した。この様に細胞内膜系のチャネルと細胞膜チャネルとの機能相関情報伝達経路による修飾系の新しい存在を明らかにすることが出来た。これらの成果はウイスコンシン大学との共同研究により発展し、なし得たものである。
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