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経済発展と技術進歩に関する日韓比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 05044205
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関神戸大学

研究代表者

弘岡 正明  神戸大学, 経済学部, 教授 (00218827)

研究分担者 HANG MinーKoo  Electrical Engineering Dept., Seoul Natio, Prof.
BYUN ByungーM  Head, Research and Planning・Korea Institu, Dr.
YANG Taek Li  Economics Department, Hanyang University, Prof.
LEE ChongーOu  Director, International Cooperation Dept., Dr.
KIM JiーSoo  Dept of Management and Policy, Korea Adva, Prof.
市原 祥次  三菱油化株式会社, 物性分析研究所筑波センター所長, 所長
渡辺 利夫  東京工業大学, 工学部, 教授 (80064088)
村上 敦  神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (40030663)
平澤 〓  東京大学, 教養部, 教授 (00012401)
LIM Yang teak  Economic Department, Hanyang University
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
キーワードハイテク産業技術 / 技術移転 / ベンチャー企業 / 工業教育・人材育成 / テクノインフラストラクチャー / テクノグローバリゼーション / 東アジアの発展
研究概要

初年度(平成4年度)の日韓の討議を通じて、共同研究の調査内容が煮詰められ、分担が決められた。研究の主眼は日本と韓国のめざましい経済発展の背景にある技術進歩の役割を解析することにより、経済発展の要因を把握すると共に、発展しつつある東アジア各国に参考になる要素を抽出すること、また、日本と韓国の諸問題を対比し、今後の参考に資することである。中でも特に(1)電子・電気産業、および繊維産業を重点に、経済発展と技術進歩の関連を明らかにする、(2)産業技術と国際競争力を論ずる、特に中小企業の意義と役割、(3)政府の産業政策、科学技術政策、(4)工学教育と人材育成、などの項目を対比することとした。
1.討議の経緯
平成4年度での国内討議と訪韓による韓国側との討議の結果、共同研究の方針が確認されたのを受けて、日韓両国の各委員がそれぞれの分担テーマの調査研究を実施した。韓国リーダーの訪日、日本からの訪韓による情報交換を行ない、最終的に各委員が英文に報告をまとめ、2月16日-18日にわたる全委員によるワークショップを神戸で開催し、内容の討議を行なった。また、同時に公開セミナーを行ない、さらに討議内容を充実させることができた。これらの共同研究の成果は別紙リストに示したとおりであり、報告書としてまとめた。
2.主題の討議結果
日韓の経済発展における具体的な事例研究が繊維産業、電子・電気産業を通じて行なわれた。発展途上の過程で両国とも繊維産業がその立上りの段階で重要な役割を果し、次の貿易の初期過程でもその中心的な地位を占めた。しかし次第に経済・産業レベルが高度化する中で、発展途上国へのシフトがみられる。両国とも電子・電気産業では世界のトップレベルのシェアを持つに至ったが、より高度な技術を独自に開発する必要が生れてきている。
両国の経済発展の過程は、東アジア全体のわく組みの中で雁行モデルとして位置づけることができる。紡績の工業化に始まり、重化学工業から、近代ハイテク産業に至る各発展段階において、中小企業がそれぞれのパターンで重要な役割を果していることが明らかにされた。
一方、日韓の貿易収支は韓国の赤字が大巾に拡大しており、日韓経済の相互依存構造は、相互補完というのではなく、韓国産業がその部品、原材料を日本に依存する垂直的なものであることを示している。このことは韓国産業の技術インフラの体制の未熟さを示すものであり、中小企業を中心とする技術の底辺構造、基盤体制整備の充実が今後の発展の重要な鍵となっていると指摘できる。
一方、産業の発展に抜本的に重要なことは人材の育成とその供給である。明治維新以来、日本の急速な近代化、経済発展が可能であったのは、有能な技術者、研究者を潤沢に供給することができたことにある。大学の高等教育もさることながら、底辺を支える技術者教育とその養成が鍵であったことが結論される。韓国においては先進国への頭脳流出が大きく、その逆流対策と国内教育レベルの充実がはかられている。
日本も韓国も急速な経済発展に政府が主導的役割を果してきたことが注目される。日韓とも適切なタイミングで先進国の技術導入を行なうことで経済発展の基盤が築かれてきた。今日なお、韓国側からはより活発な技術導入の必要性が唱えられる向があり、昨年のAPECサミットでは金大統領からテクノマート構想が提唱された。しかし、時代はエレクトロニクス産業の成熟期に入りつつあり、技術革新の国民システムの時代から、国際的戦略提携を軸とするテクノグローバル化の時代へと大きく転換しつつある。
東アジアの躍進はこの30年続いた技術革新の発展期、コンドラチエフ波の上昇期にあって、日韓の発展と共にもたらされたものである。これまでの量的拡大の時代は成熟化し、もはや量的拡大は期待できない時代に入った。地球の有限性の諸問題をかかえ、持続可能な経済発展への移行が最大の課題となってきた今日、日本と韓国は新たな責任を負わなければならない。

報告書

(1件)
  • 1993 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 日韓共同研究人文社会分科会: "日本と韓国の経済発展と技術進歩-東アジアでの役割" 神戸大学, 250 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Subcommittee of Japan/Korea Joint Research: Kobe University. Economic Development and Technological Progress of Japan and Korea -Their Role in East Asia, 1-250 (March, 1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要

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公開日: 1995-02-07   更新日: 2016-04-21  

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