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X線天文衛星Astro-D、ROSATによるX線天体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05044211
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関宇宙科学研究所

研究代表者

井上 一  宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (40092142)

研究分担者 VOGES W.  マックスプランク研究所, 研究員
HASINGER G.  マックスプランク研究所, 研究員
FINK H.  マックスプランク研究所, 研究員
BRINKMANN W.  マックスプランク研究所, 主任研究員
TRUEMPER J.  マックスプランク研究所, 教授
堂谷 忠靖  宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (30211410)
満田 和久  宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (80183961)
長瀬 文昭  宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (00022690)
田中 靖郎  宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (10022534)
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
キーワードX線天文学 / 軌道天文台 / 超新星 / 銀河団 / 宇宙X線背景放射
研究概要

わが国4番目のX線天文衛星Astro-Dは、昨年2月20日、宇宙科学研究所鹿児島宇宙空間観測所より、M-3SII-7号機によって打ち上げられた。衛星は、ほぼ予定通りの軌道に無事投入され「あすか」と命名された。「あすか」は、軌道投入後、順次、各搭載機器の電源が投入され徐々に定常観測状態に入った。4月19日からは、「あすか」搭載のX線望遠鏡の性能と、その科学的な能力を評価するための性能評価観測がはじめられ、あらかじめ選定してあった約150のX線源が順次観測された。性能評価観測は10月でほぼ終了し、10月後半からは内科の科学者からの提案をもとにした客員観測にはいった。
「あすか」のX線望遠鏡は3keV以上のX線に対し、1分角程度の解像力ながら衛星としてははじめて撮像能力をもち、かつ、これまでにない感度をもつ。また、世界で初めてX線CCDを搭載し精密な分光をする能力を有している。一方、ドイツのX線天文衛星ROSATに搭載されたX線望遠鏡は、2keV以上のX線に対する感度はないが、数秒角というすぐれた解像力をもつ。また、「あすか」には0.5keV以下のX線に対する感度はないがROSATは0.2keVほどのエネルギーの低いX線にも感度がある。このように、「あすか」とROSATは互いに相補的な能力をもっており、性能評価観測、客員観測ともに、両者が同じX線源を観測する同時観測が何回か組まれている。また、ROSATは90年に打ち上げられたあと、数ヵ月かけて全天のサーベイ観測を行っており、「あすか」の観測する方向のさまざまな情報を提供してくれている。このように、日独の研究者は現在、両衛星を用いて、たがいに、協力して観測を行ってきている。
この3月、宇宙科学研究所主催でX線天文学の国際研究会「X線天文学の新しい地平-「あすか」の初期の成果-」が東京都立大学で開催された。この研究会では、「あすか」の最新の成果が数多く発表されたが、ROSATの数々の成果も、ドイツから参加した何人かの研究者によりともに発表された。その中には、いくつかの「あすか」-ROSATの同時観測の結果も含まれている。また、同時観測ではなくても、いくつかのX線源が両衛星によって観測されており、それぞれの特徴を生かした結果を較べ合うことで、実りある研究会となった。以下に、それらのいくつかの成果をまとめる。
「あすか」が打ち上がって40日もたたないうちに近傍銀河M81に発生したSN1993Jからは、ROSAT・「あすか」と相次いでX線を検出した。発生して1週間ほどの超新星からX線を検出したのは今回がはじめてである。その後も、両衛星はそれぞれ数回の観測を行い、エネルギー領域や解像力の違いを補いあい貴重なデータを得てきている。それらの成果はこの研究会で相前後して発表された。
超新星の爆発で飛び散った物質が星間物質と衝突して光っている超新星残骸についても、「あすか」のすぐれた分光特性と、ROSATのすぐれた解像力をあわせて、新しい学問的展開がひらかれている。
遠方の銀河団をつかった宇宙の大きさを決める研究も、「あすか」の広い波長範囲の分光を行える能力と、ROSATの遠方の銀河団でも広がりを測定できる能力をつかって、着々と成果をあげつつある。
宇宙X線背景放射の研究も、「あすか」とROSATの観測波長範囲の違いを利用して、宇宙のはて近い遠方の宇宙初期の原始天体を探る共同研究がはじまりつつある。
以上のように、本科学研究費補助金の援助のもと、「あすか」とROSATの同時観測や、それぞれの特徴を生かした観測データの比較を軸として、日独の研究者による共同研究は着々と広がりと深まりを見せている。

報告書

(1件)
  • 1993 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 槙野文命ほか: "“New Horizon of X-Ray Astronomy"集録" ユニバーサルアカデミープレス, 700

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] F.Makino et al.: Universal Academy Press. Proceedings of "New Horizon of X-Ray Astronomy", 700 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要

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公開日: 1995-02-07   更新日: 2016-04-21  

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