研究課題/領域番号 |
05045010
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鯰越 溢弘 (1993, 1995) 新潟大学, 法学部, 教授 (80037085)
南方 暁 (1995) 新潟大学, 法学部, 教授
南方 曉 (1994) 新潟大学, 法学部, 教授 (70125805)
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研究分担者 |
ブリアー スティーブン ブリストル大学, 法学部, レクチャラー
ロー ナイジェル ウェールズ大学, 法学部, 教授
モーガン ロドニー ブリストル大学, 法学部, 教授
葛西 康則 (葛西 康徳) 新潟大学, 法学部, 教授 (80114437)
南方 暁 新潟大学, 法学部, 教授 (70125805)
MORGAN Rodney Faculty of Law, UNIVERSITY OF BRISTOL Professor
LOWE Nigel Faculty of Law, UNIVERSITY OF WALES Professor
GREER Steven Faculty of Law, UNIVERSITY OF BRISTOL Lecturer
グリアー スティーブン ブリストル大学, 法学部, レクチャラー
鯰越 溢弘 新潟大学, 法学部, 教授 (80037085)
スティーブン グリアー ブリストル大学, 法学部, レクチェラー
ナイジェル ロー ウェールズ大学, 法学部, プロフェッサー
ロドニー モーガン ブリストル大学, 法学部, プロフェッサー
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 刑事司法 / 警察 / 弁護 / 法律扶助 / 陪審 / 自白 / 英国刑事司法 / 陪審制度 / 法延弁論術 / 法曹教育 / 捜査 / 証拠法 / 子どもの保護 / 裁判所侮辱 / 英国 / A.D.R. / 誤判 / 証拠 / 当番弁護士 / 弾劾主義 |
研究概要 |
我国の刑事司法は戦後改革によって,英米法を範とした当事者主義理念に基づく、司法制度を導入したと言われてきたが、弾劾主義の根幹をなすと思われる陪審制度、私人訴追主義を採用しなかったために、解釈.運用において、特に公判前手続においては、糺問主義的な色彩を現在も色濃く残している。 又、英米法と一口に言うが、イギリスとアメリカの制度には大きな違いがあるにもかかわらず、我国の研究者は主としてアメリカを対象としてきたために弾劾主義的刑事司法の母国であるイギリスについては、充分な研究が行なわれてこなかった。 そこで、三年間に渡って、刑事司法に関与する人々に焦点を当てた比較法的な研究を意図して、本プロジェクトは組まれた。この国際学術研究を実施するに際しては、長年に亘って交流を行って来た。ブリストル大学法学部・ウェールズ大学法学部のみならず、エイボン・アンド・サマーセット警察、ブリストル法律扶助協会、高等法院、ブリストル治安判事裁判所、ブリストル刑事法院、ブリストル・クラウンプロセキューシロンサービス(検察庁)チェプストー法科学鑑定所などの各関係者から協力を得た。更に、バリスターの養成機関であるインブオブコート・スクール・オブ・ロ-の援助も得ることができた他、大分弁護士会、新潟弁護士会の訪英視察団と行動を共にすることを通じて、日英法曹の問題意識など法意識の違いを比較する機会にも恵まれた。 しかしながら、刑事司法の日英比較研究というテーマが、比較的大きなテーマであったために、最終年度に当る今年度は、中心的なテーマに絞って研究を行う必要を感じたために、両国の制度の違いを象徴する陪審制度を中心に協同研究を行うこととした。 そのために、8月2日にブリストル大学法学部の全面的な協力を得て、『国民の司法参加』というテーマでミニ・シンポジュームを開催した。このシンポジュームには、日本側からは、鯰越溢弘(新潟大学)、小野坂弘(新潟大学)、本間一也(新潟大学)の他、村井敏邦(一橋大学)、川出(東京大学)、平田元(三重大学)、宗岡嗣郎(久留米大学)、稲田隆司(北海道大学大学院-当時)、四宮啓(千葉弁護士会)の参加協力を得た。ブリストル大学からは、ロドニー、モ-ガン教授他のスタッフ8名が参加したが、英国の陪審制度との比較で常に論議されるドイツ参審制度についても議論する必要を感じたために、ミュンスター大学法学部のネレス教授の参加協力を要請し、参加を得た。 このシンボジュームの開催が、今年度最大のイベントであったが、その報告を基に、現在、『イギリス陪審制度の諸問題』として、刊行すべく現在、編集作業を進めている(科研費、出版助成申請中)。 その他の出版については、それぞれ、単発的に随時、公刊してきたし、今後も継続する予定である。 プロジェクトを実施して明らかになったことは、テーマが大きなものであったために、非常に多くの人々に、研究及び執筆について協力を依頼せざるを得なかったという点である。計画が、不十分であったと言われれば、一言もないが、国際学術研究という未経験のプロジェクトであったこと及び実証的な研究をめざしたこともあって、実際に研究を開始した後でなければ予測不可能なことも多かったことである。その点を考慮すれば、本プロジェクトは、大きな成果を獲得できたと自負している。
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