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海外、特に在米、日系企業の企業活動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05045015
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分大学協力
研究機関神奈川大学

研究代表者

佐久間 賢  神奈川大学, 経営学部, 教授 (30247308)

研究分担者 クレインバーグ ジル  米国カンザス大学, 経営学部, 助教授
ライツ ジョセフ  米国カンザス大学, 経営学部, 教授
スペンサー ドナルド  米国カンザス大学, 経営学部, 教授
テイラー マリリン  米国カンザス大学, 経営学部, 教授
丹野 勲  神奈川大学, 経営学部, 助教授 (70221405)
松岡 紀雄  神奈川大学, 経営学部, 教授
常石 敬一  神奈川大学, 経営学部, 教授 (00039786)
中山 茂  神奈川大学, 経営学部, 教授 (40012348)
衣笠 洋輔  神奈川大学, 経営学部, 教授
田中 則仁  神奈川大学, 経営学部, 教授 (40221395)
CREINBERG Jill  Professor, School of Business University of Kansas
REITZ Joseph  Professor, School of Business University of Kansas
SPENCER Donald  Professor, School of Business University of Kansas
TAYLOR Marilyn  Professor, School of Business University of Kansas
ジョセフ ライツ  米国カンザス大学, 経営学部, 教授
ドナルド スペンサー  米国カンザス大学, 経営学部, 教授
マリリン テイラー  米国カンザス大学, 経営学部, 教授
研究期間 (年度) 1993 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードアメリカ / 日系企業 / 直接投資 / 現地化 / 経営戦略 / 販売戦略 / 地域社会 / 労務人事管理 / 日本的経営 / 企業倫理 / コミュニティ・リレーションズ
研究概要

1.本研究のねらい
在米日系企業の活動の研究では、文献調査をもとに次の諸点を重点項目としてとりあげ、アメリカ側共同研究者と調査した。(1)在米日系企業はどのような経営戦略のもとで米国進出を計画したか。(2)米国での生産拠点を設けるに際し、どのような地域社会との関係を構築したか。(3)販売戦略を構築するときに、どのような流通経路を用い、それをどのように発展させていったか。以上3点が大きな調査項となった。これを調査するに際しては、在米日系企業に対する全数調査の手法は採用しなかった。それは全数調査ないしはマクロ的調査は他の研究機関が大規模に行っていること。たとえば日本貿易振興会など。また具体的で少数かもしれないが重要な示唆を含む事項が浮かび上がってこない可能性があり、それらを抽出することできめ細かな調査ができるようにするためであった。そこで、対象となる企業を限定する一方、深く掘り下げて、多角的に分析する方法を採用した。その結果、米国で30年余にわたり事業活動を行っており、日本独自の製品群で、米国では当該類似品のない、いわば初めての商品の市場開拓を行った例として、醤油のキッコ-マン株式会社をとり上げた。今回、同社の協力により、米国側研究者の事情聴取も含め、詳細な成果があがったので、次にその要点をまとめていきたい。
2.平成7年度の研究実績
在米の日系企業は、自国市場が成熟した場合、企業の事業拡大をねらう場合さらに、市場を多角化して危険分散をはかる場合など、さまざまな理由で米国に進出してきた。上記のキッコ-マン株式会社(以下、キッコ-マンとする)は、前述1及び2の理由で米国への市場展開をはかってきた。そのためには、米国の消費者にとって全く未知の商品である醤油をどのように広めるか、また日本国内において製造販売しているものと同じ商品ないし商品群でよいかなどの問題もあった。キッコ-マンは醤油の味についてはその利用方法をさまざまな料理を提案して広める一方、新商品の開発にも努めた。されがテリヤキソースという名称で発売され、今日では辞書にも掲載される普通名詞として普及するに至った。
次に生産拠点戦略については、昨年度の研究で指摘したように、原材料供給地である米国の中西部ウィスコンシン州に工場を設置した。工場建設に際しては、工場からの廃水や廃棄物にともなう環境への影響などへの懸念が示された。キッコ-マンの幹部社員は、これらの疑問に全て回答すると同時に、地域社会への利益還元を積極的に行うなどして、地元住民の理解を得るに至った。
さらに、販売経路については新たな発見があった。海外進出企業の多くは、初め販売経路をもっておらず、現地の流通販売に詳しい業者の協力を求めている。キッコ-マンの場合も当初カリフォルニア州の業者と共同で販売網の拡充を行った。その後キッコ-マンが独自の販売拠点をもつにいたったが、現地側販売会社との清算などの事柄を経験している。この点は、日本企業の海外進出の場合に限らず、日本における外資系企業においても見出される問題として一般化されよう。
3.研究の成果と提言
本3ケ年研究については、次のような点が成果および提言としてまとめられる。対象としたキッコ-マンは、日本の一企業であるが、この企業が経験し、克服してきた課題はかなり普遍性をもっているといえよう。その上で次の点をあげていきたい。(1)在来の企業が海外進出する際に、販売拠点、流通網について第一段階では現地側の代理店との協力が不可欠である。第二段階では、現地市場の消費者のニーズ、意見を正確に把握するためにも、自社の販売拠点設置は不可避である。(2)生産拠点の設立は、貿易不均衡の解消の点などから、企業にとって大きな課題となる。特に原材料供給地、大消費市場においては、現地雇用従業員による現地生産という、現地化の方向が望ましい。(3)現地化のためには、何よりも地域社会との共存をどうはかるかが重要で、地域社会との密接な協力関係を確立する必要がある。この研究成果は、日本企業のみならず、今後成長を期しているアジアの多くの企業にとっても、さまざまな示唆を含んでいるといえよう。

報告書

(3件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (19件)

  • [文献書誌] 衣笠洋輔: "日本企業が直面している構造的諸問題" 国際経営論集(神奈川大学). 10. 1-51 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 丹野 勲: "アジア企業の国際化" 国際経営フォーラム(神奈川大学). (予定). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中 則仁: "EXCELLENCY IN TRADITION" APEC HRD WORKING PAPER. (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中山 茂: "科学技術の戦後史" 岩波書店, 285 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] N. X.オアイン著 丹野勲 編訳: "概説ベトナム経済" 有斐閣, 272 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yosuke Kinugasa: "Structural Issues in Japanese Companies" International Management Review. 10. 1-51 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Isao Tanno: "Internationalization of Asian Companies" International Management Forum (Kanagawa Univ.). F.Coming. (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Norihito Tanaka: "Excellency in Tradition" APEC Human Resources Development Working Paper. (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigeru Nakayama: Iwanami Publishing Company. Postwar History of Science and Technology, 285 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Nguyen Xuan Oanh, Isao Tanno ed.translation: Yuhikaku Publishing Company, Japan (The Publishing House of Hochimin City, Vietnam). The New Investment Frontier in Southeast Asia, (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 佐久間 賢: "国際人事・労務" テキストブック 国際経営〔新版〕. 191-202 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 丹野 勲: "ベトナムの企業経営" 神奈川大学 国際経営論集. 8. 81-114 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 則仁: "INTERNATIONAL TRADITION OF EXCELLENCE" APEC-HRD-BMN WORKING PAPER. 42 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 佐久間 賢: "国際ビジネス交渉力" NHKブックス, 254 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 中山 茂: "一戸 直蔵" リブロポート, 320 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 丹野 勲: "国際比較経営論" 同文館, 380 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 佐久間賢,マリリン・テイラー,田中則仁: "AN ACTIVITY OF JAPANESE FIRMS IN THE UNITED STATES." JOURNAL OF INTERNATIONAL BUSINESS STUDIES. (予定).

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 佐久間賢,田中則仁: "在米日系企業活動の研究" 国際経営論集(神奈川大学経営学部). Vol.6(予定). (1995)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 佐久間 賢: "現地経営の変革" 日本経済新聞社, 268 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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