研究分担者 |
洪 胴杓 全北大学校, 工科大学, 教授
李 聖哲 全北大学校, 工科大学, 教授
高橋 隆行 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 講師 (70197151)
江 鐘偉 東北大学, 工学部, 助教授 (60225357)
石原 正 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10134016)
猪岡 光 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20006191)
JIANG Zhong Wei Dept. of Mechatronics and Precision Engineering Tohoku Univ. Associate Professor
HONG Dong Pyo Dept. of Mechanical Engineering Chonbuk National Univ. Professor
LEE Seorg Chol Dept. of Mechanical Engineering Chonbuk National Univ. Professor
洪 どん杓 全北大学校, 工科大学, 教授
洪 〓杓 全北大学校, 工科大学, 教授
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研究概要 |
ロボットの研究開発の進展に伴い,対象物に対して作業を行うロボットの手先効果器の高機能化・超精密化が要求されつつある.現在ロボットハンドの多くは硬い材料で作られており,作業を遂行するにあたり十分大きな一定の把持力で対象物を掴むように設計されている.今後ロボットは様々な環境に導入され,それに伴い,多種多様な物を把持させる機会が増えてくるが,その1例として微小で柔らかい対象物を把持させる場合があげられる.そこで本共同研究は,動いている対象物を損傷せずかつその動きに応じて把持力を一定に保持制御する小型ロボットハンドの開発を行う.新しいマイクロアクチュエータとして圧電素子を導入し,その動特性・制御法を明らかにするとともに,把持力を計測するための小型触覚センサの開発も行い,力制御型小型把持機構の完成を目指す.以下に年度毎の研究計画に沿ってその経過と成果について述べる. 平成5年度は理論的な基礎を構築する事を目標として,運動方程式の導出と制御法の構築,圧電素子の駆動法等につき主に共同研究を行なった. (1)開発する小型把持機構の運動方程式を導出した.制御法としてはPID制御を適用する事を考えコントローラの設計と組み立てを行った.理論解析用のシミュレーションプログラムの作成では,日本側と韓国側でコンピユ-タシステムが違うため,その互換性が問題となったが,最終的にプログラムを調整し両国で順調にプログラムが作動する事を確認した. (2)圧電素子を駆動するために素子に高電圧を加える必要がある.このため,コンピュータからの制御電圧を増幅するアンプを製作した.本アンプを使用して圧電素子の動作特性を確認した. (3)得られた研究成果を'93 Korea-Japan Joint Seminar on Advanced Mechatronicsに5編,そのほかに4編の論文を雑誌等に発表した. 平成6年度は,センサの試作開発と機構の開発を行なった. (1)ひずみゲージと柔軟材を用いて微小力測定用センサを試作し,実験を行なった.試作したセンサは半導体ひずみゲージを用いており,高感度で数グラム重の微小力も測定可能であることがわかった. (2)微小力制御を実現するための圧電素子をアクチュエータとして用いた小型把持機構を設計,製作した.機構の指先端の微小変位は圧電素子の駆動で実現し,大変形に対応できるようステッピングモータによる並進機構の併用する事を決定した.この機構に前年度設計したPIDコントローラを組み合わせ,迅速な制御結果の得られることを確認した. (3)得られた研究成果を'94KACC韓国自動制御学術会議)に1編,日本機械学会論文集C編その他の雑誌に13編の論文を雑誌等に発表した. 平成7年度は実験装置の調整を行い,さらに制御法をPID制御からH_∞制御に拡張させた. (1)韓国側で日本側と同様の実験装置が組み立てられ,調整の後実験が行われ,日本で得られたのと同様な結果が得られた. (2)制御法PID制御からロバスト安定性の高いH_∞制御に拡張し,またPID制御法との対応から拡張PID制御則を提案し,これらについて理論解析とシミュレーション,実験を行った.これより,対象物及びシステムにに多少の不確定要素があっても高速で安定した把持制御を行う事ができることを確認した. (3)また平成7年12月1日から3日まで,韓国側の研究協力者 朴 鐘国および日本側の研究代表者 長南征二,研究分担者 猪岡 光を共同実行委員長とする日韓共同セミナーを開催し,同セミナーで圧電素子をアクチュエータとする小型把持機構の微細力制御に関する共同研究を最終報告として発表をした.平成7年度はその他国内外で15編の論文を雑誌等に発表し,本共同研究については計38編の論文発表と講演を行なった.
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