研究分担者 |
モリー チモシー サウスカロライナ大学, バルーク研究所, 助教授
チマーファウスト リチャ サウスカロライナ大学, バルーク研究所, 助教授
ウディン サリー サウスカロライナ大学, バルーク研究所, 教授
スタンシック ステファン サウスカロライナ大学, バルーク研究所, 教授
ディーン ジョン サウスカロライナ大学, バルーク研究所, 教授
征矢野 清 長崎大学, 水産学部, 助手 (80260735)
萩原 篤志 長崎大学, 水産学部, 助教授 (50208419)
北村 等 長崎大学, 水産学部, 助教授 (60108347)
玉置 昭夫 長崎大学, 水産学部, 助教授 (40183470)
原 研治 長崎大学, 水産学部, 助教授 (10039737)
MOUSSEAU Timothy a Associate Professor, Baruch Institute University of South Carolina Associate Pro
ZIMMER-FAUST Richard k Associate Professor, Baruch Institute University of South Carolina Associate Pro
WOODIN Sally ann Professor, Baruch Institute University of South Carolina, Prof.
STANCYK Stephen e Professor, Baruch Institute University of South Carolina, Prof.
DEAN John m Professor, Baruch Institute University of South Carolina, Prof.
フェラー ロバート サウスカロライナ大学バルーク研究所, 教授
平山 和次 長崎大学, 水産学部, 教授 (80039718)
ティモシー モソウ サウス, カロライナ大学・バルーク研究所, 助教授
リチャード・チマーファウ チマーファウスト サウス, カロライナ大学・バルーク研究所, 助教授
サリー ウディン サウス, カロライナ大学・バルーク研究所, 助教授
ロバート フェラー サウス, カロライナ大学・バルーク研究所, 教授
ステファン スタンシック サウス, カロライナ大学・バルーク研究所, 教授
ジョン ディーン サウス, カロライナ大学・バルーク研究所, 教授
夏苅 豊 長崎大学, 水産学部, 教授 (10039729)
多部田 修 長崎大学, 水産学部, 教授 (50217171)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
日本における研究経過:サウス・カロライナ大学の共同研究者を各年2名ずつ,実質合計5名,延べ6名を招聘した。大学では、研究討議を行うとともに、先方の専門に関するセミナーを開催し、また室内実験を共同で行って研究方法について共通理解を深めた。野外調査は、有明海に面する長崎郊外,天草、熊本の河口域から,有明海に隣接の八代海北部にまで及び,河口域をまわり,それらの環境と生物相を調べた。有明海周辺海域では,泥干潟の性状,河口域動物の分布生態を調べ,最も優占して生息する干潟動物であるムツゴロウ類について行動の観察と採集を行った。採集した魚体の一部は米国に持ち帰り,DNA分析を行った。八代海では,漁船に同乗し,漁獲物の調査を行い,海岸を探索して生物の分布状態を調べた。また,長崎,熊本,東京で水産と漁業に関する調査・研究・行政施設を訪問し,河口域の水産物の利用形態に関する聞き取りを行った。天草では、当方の長年の研究対象である干潟甲殻類の消化管内容物を観察し,餌の種類を特定するために、米国側の技術である免疫学的手法の採用の可否を討議し、米国訪問でその実際を確認した。八代海では、漁獲物を調べ、有明海との生物相の関連を調べ、この海にも有明海と共通して、特産動物と河口域を幼期に利用する魚類が分布することが分かった。特産動物の遺伝形質の地域間比較は双方にとって魅力的な今後の共通テーマとなる。熊本と長崎の河口域ではムツゴロウの行動をビデオで記録し、その行動分析を米国側研究者の助言のもとに行った。その結果、ムツゴロウに餌の確保を目的としたなわばり性が存在すること、産卵期にはその秩序が崩れること、摂餌行動が餌植物の生育を促進することなど、興味ある事実が判明した。また各地の海岸でトウゴロウイワシ類の産卵親魚とその他の魚類の採集を行い、トウゴロウイワシ類の卵の被食実態を明らかにする試みを行った。結果は、異常気象によりトウゴロウイワシ類の産卵期が早まったため、資料収集ができないまま機会を失した。日本で採集し米国に持ち帰ったムツゴロウ類の魚体の一部はDNA分析に供し、非常に鮮明な分析像が得られることが判明した。今後さらに資料を送付し、共同で魚類の系統進化に関する研究を完成させることにしている。 米国における研究経過:長崎大学から研究代表者と分担者を各年2名ずつ,実質合計8名,延べ9名派遣した。先方の大学では、研究討議を行うとともに、各人の専門に関するセミナーを開催し、また室内実験を共同で行って研究方法について共通理解を深めた。野外調査は主にサウスカロライナ大学の付属研究施設であるバル-ク研究所に先方のスタッフとともに滞在して行った。そこで河口域の主要なプランクトンであり、魚類養殖の餌料でもあるワムシとイカ類を採集し、トウゴロウイワシ類の産卵調査を行った。また底生動物の分布生態、付着動物の付着機構に関する実験などを行った。さらにコアーサンプラーによる採泥および各種ベントスの採集を行なった。採取した泥については一部をサウスカロライナ大学に残し、先方で年代測定を行なっている。ワムシについては、増殖学的検討の結果、日米共同のさらに高度な研究につなげる可能性が開けた。イカ類は、齢査定にもとづく資源学的研究を共同で進める目的で採集を行ったが、研究期間中に十分な資料が得られなかった。将来の共同研究につなげるべく追加標本の採集を先方に依頼している。トウゴロウイワシ類については、過去の経験から最適な調査期日を選び、野外調査に対する各方面の調査協力も得て野外調査を行ったが、米国でも異常気象のため産卵期日が早まっており、目的の標本が採集できなかった。来年度以降、日米双方で継続的な研究を行い、目的を完遂するつもりである。コアーサンプラーの泥は日本に持ち帰り、海産輪虫類の休眠卵の分布、休眠卵のふ化能力の測定などの研究材料とした。生化学実験室では動物の食性を免疫学的に検討する実験を行なった。この手法は将来、河口域動物の食性分析に利用できる。付着動物についてはカキ幼生の付着機構に関する化学生態学的研究が行われ、カキ幼生の行動に特定のアミノ酸が関与することを見いだした。幼生のその後の変態の誘発について今後連絡をとりながら研究を進める予定である。
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