研究課題/領域番号 |
05045052
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中沢 博江 (中澤 博江) (1993, 1995) 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
中澤 博江 (1994) 東海大学医学部, 生理科学, 教授 (20110588)
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研究分担者 |
LASZLO Prona Semmelweis Univ. Dept. of Medecine, Fellow
JANOS Feher Semmelweis Univ. Dept. of Medecine, Professor
篠崎 芳郎 東海大学, 医学部, 助手
石田 英之 東海大学, 医学部, 講師 (20222424)
一守 康史 東海大学, 医学部, 講師 (60184636)
PRONAI Laszl Semmelweis Univ of Medicine, 助手
FEHER Janos Semmelweis Univ of Medicine, 教授
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Superoxide / nitric oxide / peroxynitrite / cytotoxicity / tissue injury / スーパーオキサイド / 一酸化窒素 / パーオキシナイトライト / キサンチンオキシターゼ / NADPHオキシターゼ / 培養心筋細胞 / 化学発光 |
研究概要 |
新しく開発したONOO^-測定法を加えて好中球でのO_2^-とNO、さらにONOO^<2->の測定 ヒトの好中球を分離し、PMA(PKC活性化剤)による刺激下でのO_2^-、NO、ONOO^-の生成量とその時間経過を検討した。O_2^-の測定はMCLAケミルネッセンス法とチトクロームC還元法によった。NOはNO_2^-/NO_3^-をGriss法で測定した。ONOO^-はヒドロキシフェニルによるニトロ化反応で生成するNO_2^-HPAをHPLCでC18逆相カラムをを用いて分離し、360nmの吸光度を測定することにより行った。これらによりヒトの好中球はNO_2^-を50±15nmoles/-10^6cells/h、ONOO^-をHPA-NO_2として4.5±1.2pmoles/cells/hを生成することがわかった。 2)灌流臓器を用いたreal time O_2^-、NO、ONOO^-測定 ラットとギネアピックの摘出心臓をoxymyoglobinを含む液で灌流し、種々のメカノストレスを与えた状態でのNO_2^-/NO_3^-測定を行った。その結果、ギネアピックはBradykinninに反応して、NOを放出し、冠血管抵抗を下げるがラットではNO放出がなく、他のメカニズム(EDHF)により血管拡張が起こることが明らかになった。これらと心筋障害因子との関係に関する実験はまだ施行するにいたらなかった。 3)Nitrotyrosineの抗体による組織染色法の確立 ONOO^-が蛋白中のTyrosine残基を攻撃しNitrotyrosineを生成することを根拠に肝、胃、腸などの組織におけるONOO^-の障害を証明するためNitrotyrosineの染色を行った。Semmelweis大学で得られた肝、胃、腸バイオプシー組織片と切除標本の一部をヘマトキシリンエオジン染色とともに、ニトロタイオシンの抗体を用いた免疫組織染色を行った。肝臓では全体がニトロチロシン陽性を示した。胃、腸は組織全体が弱いが陽性に染色された。したがって、正常部、潰瘍部、腫瘍部、腫瘍周辺部の鑑別は出来なかった。この結果を得た後、より特異性があり精度の高い検出法としてこれらの組織のニトロタイロシン自身を測定する方法を検討した。測定原理は組織をフェノールの存在下に6N HCLで加水分解した後上清をC18カラムを用いた逆層HPLCを通して溶出後270nmのUV吸収で測定するものである。本法を確立する過程で酸加水分解中にニトロタイロシンが一部分解されることが判明した。ニトロタイロシンの分解を防ぎ、ニトロタイロシンを安定して測定するために種々、試行錯誤をしながら、最終的には0.1%フェノールを添加することにより標準サンプルでは加えたニトロチロシンのほぼ100%回収できるところまで安定性と精度を上げることが出来た。以上、科学研究費補助金(国際学術)によって、Semmelweis大学と当研究室の活性酸素、一酸化窒素、ONOO^-に関する研究は大幅に進歩した。又、Feher博士、Pronai博士との研究相談、実験結果の討論によって測定法などの改善が可能であった。さらに本研究はハンガリーで多く認められるアルコール性肝硬変症における活性酸素、一酸化窒素ONOO^-の関連に対しての今後の研究方法を示すものとなった。この方法により現在胃潰瘍部のみにニトロタイロシンが40±12umoles/mg protein存在し、さらにその値は、潰瘍の重症度と相関することが判明した所である。 4)Semmelweis大学での研究 Semmelweis大学プロナイ博士が、本研究室に来日し上記2と3の方法を習得した後、実際に自身が持参した組織、血清を測定した。また、帰国後は同大学のアルコール性肝硬変患者、急性肝炎、慢性肝炎患者の好中球におけるO_2^-、NO、さらにONOO^-生成機構の変化を検討していく。又、本研究室でも東海大学における種々の疾患のバイオプシー組織と血清中のニトロタイロシン測定を続行する。
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