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インドネシアの伝統薬物Jamuと薬用資源に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05045053
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分大学協力
研究機関神戸学院大学

研究代表者

濱 堯夫 (濱 尭夫)  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (10068215)

研究分担者 SABARIJAH W  インドネシア大学, 理数学部, 教授
ENDANG Hana  インドネシア大学, 理数学部, 教授
神谷 浩平  神戸学院大学, 薬学部, 実験助手 (80258110)
岡本 博  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (00028870)
細野 恭平  神戸学院大学, 薬学部, 助手 (70209245)
佐竹 紀子 (佐武 紀子)  神戸学院大学, 薬学部, 助教授 (80103076)
藤井 正美  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (10165342)
斎木 保久  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (60068210)
SABARIJAH Wittoeng  Faculty of Mathematics and Natural Sciences, University of Indonesia
HANANI Endang  Faculty of Mathematics and Natural Sciences, Univeristy of Indonesia
SABARIJAH Wi  インドネシア大学, 理数学部, 教授
ENDANG Hanan  インドネシア大学, 理数学部, 教授
研究期間 (年度) 1993 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードインドネシア / ジャムゥ / Jamu / 伝統薬 / 市場調査 / 薬用植物 / 薬用資源 / 熱帯アジア / 伝統薬物 / 民間医療 / ジャム-
研究概要

1.Jamu市場調査 Jamu市場調査班は西部、中部ジャワの官庁、Jamu製薬業、販売業、個人等を対象に調査を行い、この生薬配合製剤は一部のインテリ層を除き幅広く国民が日常服用する健康保持上の薬物であること、日常服用しない人でも生理機能の変化時、即ち妊娠、産後、月経、予定された折りの男女の性欲亢進や体力消耗、病的ではない頭痛や胃のもたれ等の体調不全時には好んで用いられる薬物として存在し、低所得者層ほど常用率は高くなる傾向にあり、毎日そして朝晩利用者も珍しくない。従って所得に対するJamu比は20〜30%レベルにも達している。
Jamuは漢方薬と同様、生薬を一定のルールで配合したもので中部ジャワで発祥し、現在に伝わる伝承薬とされている。しかし、3年間の調査を通じた結果は、(1)ジャワ島の薬用植物利用でほぼ成立している。(2)漢方のような証の概念、診断ルールはない。(3)薬物は人の訴えに対する効能効果の薬物として供されている。(4)病に対する伝承薬たる生薬の配合ルールは存在する。しかし、病い毎に5〜20種位の基本ルールが存在しているようである。(5)その基本ルールをほぼ中心において、Jamu製造販売業者はその他生薬の持つ民間的薬効を勘案して全く自由に生薬を添加している。(6)つまり現在の市販Jamuは地元で調達できる生薬を、大きな製薬企業では10〜30種、小さな製造店頭販売業者では80〜100種も混ぜ合わせたものである。(7)生薬の個々の薬効を眺めての配合を考える手法は江戸時代の売薬と同じ手法である。等の知見を得た。
さて、平成7年度は前年度に引き続きジャワ島以外の、Jamuの謂れはないとされるバリ、カリマンタン、スラウェシ及び再びジャカルタ、スマトラの市場調査を行った。調査諸島はジャワ島の人口過密から永年政府の移住奨励政策の対象となっている所である。
ジャカルタにおいてアンボンジャムゥ、アチェジャムゥ、マズ-ラジャムゥの名を聞くことができる。これらJamuはジャカルタでも特定の店で販売されている。
バンジャルマシンにはカリマンタンジャムゥと称される主製薬企業が分布し、市内販売店ではジャワ島有名Jamuよりも地元Jamuの方がよく売れている。カリマンタンジャムゥはカリマンタン産の生薬を主体として製造されており、カリマンタン、マズ-ラには、その島の原産薬用植物に関するローカル図書が販売されていることから古くから民間薬として薬草が知られていることが解る。カリマンタンジャムゥの製造は1960年頃と言っており、ジャワ人の移入と共にJamuも導入され、原産生薬を主体とするカリマンタンジャムゥが工夫されたものらしい。なればこれら離島Jamuにジャワジャムゥの伝承ルールはないと見なさざるを得ない。スラウェシにはJamu製造企業はなく販売者のJamuはジャワジャムゥとカリマンタンジャムゥを主体としてマズ-ラジャムゥが僅かに置かれていた。
アチェジゥムゥは現地調査していないが、パレンバン販売店の商品を見れば北部スマトラ産生薬を多用したものと思われ、カリマンタンジャムゥと相通じるものではないかと考察される。アンボンジャムゥはジャワジャムゥの上にアンボンで採取されている生薬を追加して特徴付けたものと考えられた。
以上のことから、配合処方の秘密、処方の伝承的継続を神秘性とするJamuはかかる何百年間かの存在は肯定されるが、現在のJamu供給と国民の利用法を見ると、Jamuは漢方のように永年の処方薬として効能効果が確かめられてきたものではなく、近代Jamu製薬企業製品は、配合基本ルールを製品開発上拠り所にしながらも独自に生薬効能による追加を行い、自家製品の特徴付けを行っているのがジャワジャムウであり、島々のJamuはローカル的に新しく作られた生薬配合剤という見方ができる。
2.インドネシアの薬用植物写真集の作成 この研究の一環として、ジャワ島とスマトラ島で植物採集と植物の写真撮影を行って、約2,000枚の植物写真ができた。この内約500種が同定できたので写真集1号を作るべく説明文もほぼ出来上がっているが、期限には間に合わなかった。熱帯は植物の種類が多いが、それらの図鑑や植物誌がなく、主にインドネシアではジャワの植物誌(C. A. Backer et R. C. Bakhuizen v. d. Brink ; 1965)があるだけで、しかも図はなく、膨大な活字の検索表で植物の同定をしなくてはならず、著しく時間がかかる。従って、この写真集ができれば、インドネシアや他国の植物に興味のある人々にとって朗報である。

報告書

(3件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 佐武紀子: "インドネシア産薬用植物の研究(1)Helicteres isolaの果実の含有成分について(予定)" Phytochemistry.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 斎木 保久: "カラー写真集熱帯アジアの薬用植物" 広川書店(計画中), 130

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Toshiko Satake: "The Studies on Indonesian Medicinal Plants (1) The Constituents of the Fruits of Helicteres isola" Phytochemistry. Planning.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuhisa Saiki: Hirokawa Publishing CO.(Planning). Color Photograph Album Medicinal Plants of Tropical Asia, 1-130

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 佐武紀子: "薬用資源の開発(1)インドネシア産Borreria latifolia の成分研究" Phytochemistry. (予定).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 斎木保久: "インドネシア薬用植物写真集" (未定),

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 佐武紀子: "インドネシア産薬用植物の研究(1)Helicteres isolaの果実の含有成分について" Phytochemistry. (予定).

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 斎木保久: "インドネシア薬用植物写真集" (未定),

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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