研究課題/領域番号 |
05151003
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
牧田 章 北海道大学, 医学部, 教授 (60004561)
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研究分担者 |
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
村松 喬 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00030891)
成松 久 創価大学, 生命化学研究所, 教授 (40129581)
入村 達郎 東京大学, 薬学部, 教授 (80092146)
済木 育夫 北海道大学, 免疫科学研究所, 助手 (80133776)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1993年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | 癌転移 / 癌細胞接着 / 糖鎖合成酵素 / 硫酸化糖鎖 / シアリルルイス-X / フコース転移酵素 / 酵素cDNA / シアリダーゼ |
研究概要 |
1.肝細胞増殖因子(HGF)は腎癌細胞のSM4合成酵素を数倍誘導するとともに、産物SM4はHGFと結合することを明らかにした。SM4は高親和性受容体c-Metと協調してHGFの受容、作用発現をモジュレートする低親和性受容体とみられる。2.ヒト結腸癌や膀胱癌ではシアリルLeX(SLeX)を強く発現するものは転移性が高かった。これらの癌細胞と肝類洞内皮(HSE)細胞の接着にはE-セレクチンに加えて、RGD配列をもつ間質蛋白質も促進的に働いた。3.転移性マウス悪性リンパ腫細胞はガングリオシドGD1αをもっており、これを介してマウスHSE細胞と特異的に接着した。HSE細胞の接着蛋白を分画し、その性状を調べている。4.フコース転移酵素(FT)に関し、Le陰性者のFT-III cDNAはATGから58番目にT→G変異が、508番にG→A変異があり、酵素は不活化されていた。従って、Le陰性者の癌で発現されるSLeAはFT-III以外のFTかまたは、癌化によって活性化されるとみられる。他方、低転移性の結腸癌や膀胱癌細胞にFT-III cDNAを導入するとSLeXが増強するが、SLeAには変化がなく、これらの癌の転移関連糖鎖の形成はFT-IIIが主役であるらしい。5.ヒトのGlcNAc転移酵素(GnT)III cDNAをクロン化した。肝ウイルス(HBV)遺伝子をもつ肝芽細胞腫ではGnT-IIIが選択的に抑制されており、インターフェロン処理によって回復した。HBV増殖と本酵素の関連が示唆された。6.哺乳類(ラット)のシアリダーゼcDNAをはじめてクロン化した。酵素cDNAをベクターに組込み、癌細胞に導入して転移能の変化を調べている。
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