研究課題/領域番号 |
05151013
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
島崎 淳 千葉大学, 医学部, 教授 (10008229)
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研究分担者 |
白石 泰三 三重大学, 医学部, 助教授 (30162762)
佐藤 文三 大阪大学, 医学部, 助教授 (30124770)
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10106312)
宮本 薫 国立循環器病センター研究所, 室長 (30125877)
松本 圭史 大阪府立母子保健総合医療センター, 総長 (70028299)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
1993年度: 15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
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キーワード | 前立腺がん / アンドロゲン依存がん / アンドロゲンレセプター / シオノギがん115 / 増殖因子 / ras / p53 / 自己調節 |
研究概要 |
ヒト前立腺がんはアンドロゲン依存性の微小がんより徐々に依存性を消失し、非依存がんとなって死亡する。依存性喪失の機序を解明するためヒト各病期の前立腺がんの組織やマウス・アンドロゲン依存がんであるシオノギがん115(SC115)を用いて研究した。 1.SC115のアンドロゲン依存性。 アンドロゲンはSC115に作用して増殖因子(アンドロゲン誘導性増殖因子,AIGF)を分泌し、自己調節として作用し増殖する。AIGFおよびその受容体を構造決定した。AIGFの作用はスラミンにより阻害された。 2.SC115の非依存がんへの進行。 SC115は無血清培地で増殖しないがアンドロゲンまたは小量の血清により維持される。血清添加のみで継代し、非依存がんを得た。これはAIGFと異なる増殖因子を分泌しており、継代により増殖能を大きくするが、増殖因子の増加とこれのレセプターの増加が関与していた。アンドロゲンを欠く環境への適応による非依存がんへの進行と考えた。 3.遺伝子変化による非依存がん SC115より得られたCS2は非依存がんであるがアンドロゲンレセプターを有する。CS2では新たにhst1が発現しており、これが新しく増殖能を得たことと関連すると考えた。 ヒト早期がんおよび非依存がんで死亡した組織との比較において、rasは後者のほうがやや異常の頻度が高かった。しかし全体としてras異常20%、p53 10-20%であり、他のがんに比し遺伝子異常の頻度は高くない。さらに検討を要する。 4.アンドロゲンレセプター この変異が非依存がんで1/8にみられた。非依存がん進行において、レセプター変異はあまり大きく関与していないと考えた。
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