研究課題/領域番号 |
05151023
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
町並 陸生 東京大学, 医学部(医), 教授 (30010052)
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研究分担者 |
椙村 春彦 浜松医科大学, 助教授 (00196742)
野島 孝之 北海道大学, 医学部, 講師 (50142732)
吉田 春彦 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40037429)
恒吉 正澄 九州大学, 医学部, 教授 (20091259)
牛込 新一郎 東京慈恵会医科大学, 教授 (70081643)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1993年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 骨軟部腫瘍 / 病理組織学的診断 / 頻度 / 診断の変貌 / 免疫組織化学 / 癌遺伝子 / フローサイトメトリー / 予後 |
研究概要 |
今年度は骨腫瘍を対象とし、1970年〜1979年(A)と1980年〜1989年(B)の間での病理診断の変化を検討した。北大、東大、慈恵医大、鳥大、九大の5施設の症例を検討したところ、Aでは、いずれの施設においても悪性腫瘍では骨肉腫の頻度が最も高く45〜79%で、第2位は2施設で骨髄腫、各1施設で軟骨肉腫、悪性線維性組織球腫(MFH)、線維肉腫と施設により異なっていた。MFHの頻度は21%(2位)の1施設を除けば、0〜5%(第4位〜9位)であった。。一方、Bでは骨肉腫が4施設で第1位(44〜54%)で、1施設では骨髄腫が第1位(39%)で骨肉腫が第2位(33%)であった。また、MFHの頻度は1施設ではAで21%(第2位)であったのが第3位(15%)に低下したが、他の4施設では4〜12%(第3位〜4位)に上昇した。 その他、ホメオボックス遺伝子を検索し、多くの肉腫においてその発現のみられること、低分化な軟骨肉腫にはp53の点突然変異のあること、カルシウムATPaseに対するモノクローナル抗体で、多数の骨軟部腫瘍を染色し、滑膜肉腫、脊索腫及び軟骨肉腫が陽性となること、骨肉腫では上皮性マーカーであるEMAがかなり高率(76%)に腫瘍細胞が陽性となること、骨及び軟部ユーイング肉腫の予後因子として核分裂ないし核崩壊が重要であること、悪性ラブドイド腫瘍類似の像を示す上皮性及び非上皮性腫瘍があること、血管系腫瘍の診断にDNAフローサイトメトリーが有用であること、滑膜肉腫のPCNA免疫染色による検討を行い、PCNAは核異型、組織学的悪性度、腫瘍壊死などと相関を示し予後因子の一つとなること、骨悪性線維性組織球腫の予後は線維形成がつよいほど予後不良で、炎症細胞浸潤がつよい場合は予後良好であること、結節性筋膜炎及びデスモイドに比して、線維肉腫はDNAフローサイトメトリーで異数性を示しp53が陽性となる点で異なること、滑膜肉腫について18番染色体とX染色体の転座がFISH法で67%の症例に陽性となること、骨肉腫の症例においては乳癌が重複癌として生じている症例のあること、などを今年度の研究で明らかにした。
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