研究課題/領域番号 |
05151035
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武部 啓 京都大学, 医学部, 教授 (10028318)
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研究分担者 |
錦織 千佳子 京都大学, 医学部, 助手 (50198454)
野村 大成 大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部, 教授 (60001765)
立花 章 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (20188262)
山泉 克 熊本大学, 医学部, 教授 (70107093)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
18,400千円 (直接経費: 18,400千円)
1993年度: 18,400千円 (直接経費: 18,400千円)
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キーワード | 皮膚がん / ras遺伝子 / P53遺伝子 / 紫外線 / DNA修復 / 色素性乾皮症 |
研究概要 |
発がんは多段階で起り、その各段階には遺伝子の突然変異が関与していると考えられている。本研究は、そのような多段階のそれぞれが促進されたり、抑制されたりすることがあり、それがどのような機構によるかを解明することを目的とする。患者が高頻度に発がんする高発がん性遺伝病は、そのような研究にもっとも適した対象である。太陽光中の紫外線という外的要因によって皮膚がんを多発しやすい色素性乾皮症患者の皮膚腫瘍における、がん遺伝子(H-,K-,N-ras)とがん抑制遺伝子(P53)の突然変異を解析した。ras遺伝子は、多くのヒトがんで、第12、13、61コドンの突然変異が見出され、がん化の原因と考えられているが、そのような変異は、色素性乾皮症患者には見出されなかった。一方P53遺伝子の突然変異は高頻度に見出され、しかも、紫外線特有と考えられるDNA損傷がすべて関係していた。マウスに人工的に紫外線で作成した皮膚がんでは、逆にras遺伝子の突然変異は高頻度に見出されたのに対し、P53遺伝子の突然変異は検出できなかった。この結果から、ヒトの紫外線発がんにおいては、P53遺伝子の突然変異の促進が重要であり、ras遺伝子の役割は小さいと結論できる。ヒトとマウスの違いの理由は、両者の紫外線損傷修復機構の差異による可能性が考えられ、今後の研究課題である。
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