研究課題/領域番号 |
05151049
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
小倉 剛 徳島大学, 医学部, 教授 (00028490)
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研究分担者 |
東野 一彌 兵庫医科大学, 教授 (30028419)
杉山 治夫 大阪大学, 医学部, 助手 (70162906)
山口 希 京都府立医科大学, 脳血管系老化研究センター, 助教授 (40079752)
山口 建 国立がんセンター研究所, 細胞増殖因子研究部, 部長 (90124429)
新津 洋司郎 札幌医科大学, 教授 (10045502)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1993年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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キーワード | IL-1 / IL-6 / TGF-β / TNF-α / β-FGF / ヒト癌細胞 / パラクライン / サイトカイン |
研究概要 |
1.非転移性ヒト唾液腺癌細胞から分離した転移性クローンは、EGF、bFGFの産生を介して血管内皮細胞の増殖、遊走を刺激し、蛋白分解酵素産生を抑制した。 2.膵管上皮癌細胞株による血管内皮細胞増殖刺激活性の産生は、TGFαとVECGFmRNA発現との関連が考えられ、本細胞移殖ハムスターに血管内皮細胞増殖抑制活性のあるAGM-1470を投与すると転移を抑制した。 3.20例の非ホジキンリンパ腫細胞はRT-PCRではIL-6、、IL-6レセプター、gp130を極めて高率に発現したが相互の相関性は示さなかった。IL-6遺伝子導入SCIDマウスへのミエローマ細胞の生着は抗IL-6抗体投与で抑制された。 4.肝癌患者では、血清中にTGF-β1の上昇と肝癌組織での発現の亢進を認め、培養肝癌細胞ではmRNAと蛋白レベルで過剰発現を認めたがTGF-β、感受性にはTGF-βレセプターのシグナル伝達の異常の関与が示唆された。 5.胃癌細胞でもTGF-β感受性とレセプター発現の間に相関がなく、非感受性のp53蛋白発現陰性株にp53遺伝子を導入するとTGF-β感受性に変換した。CD4^+Tリンパ球のTGF-βによるIL-2反応性の低下にはp53の脱リン酸化が関与した。 6.肺癌細胞で、IL-1β、IL-6、TNF-α、IL-8、MCAFのmRNA発現とTNF-α、IL-1β、GM-CSFによる増強効果を見出し、IL-6では蛋白レベルでも確認した。単球の膜結合性TNF-αによるup-regulationも見出した。 そのほか、IL-1レセプター細胞内ドメインのアミノ酸置換によるシグナル伝達への影響、IL-8抗体によるIL-8の好中球機能への影響、メラノーマにおけるマトリックスでのbFGF発現の解析、IL-1とIFN-γによるFGF刺激HUVECの増殖とFGF-レセプター発現への影響について、それぞれ解析した。 これら研究を通じ、癌細胞の増殖、進展と宿主細胞とのサイトカインパラクランの相関を明らかにしつつある。
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