研究課題/領域番号 |
05152013
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 敬治 山形大学, 医学部, 助教授 (50004685)
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研究分担者 |
丹野 直弘 山形大学, 工学部, 教授 (00006248)
中村 秀範 山形大学, 医学部, 助手 (30240675)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 肺ガン / 細胞診 / ポリフィリン誘導体 / 顕微分光 / 蛍光スペクトラム / 自動識別 |
研究概要 |
[目的]本研究は肺癌の早期発見を目的とし、喀痰中肺癌細胞の自動識別装置の開発を意図して計画した.[成績](1)ポルフィリン誘導体と肺癌細胞反応後の特異蛍光波長:ポルフィリン誘導体であるPH1008は腫瘍細胞と親和性を有し、特殊励起波長により蛍光を発生する.この点を利用し、株化肺癌細胞(A549およびPC-1)、ヒト切除肺癌よりの分離肺癌細胞とをそれぞれPH1008と反応させ、He-Cd LASERによる励起波長441.8nmで励起した蛍光波長を分析した.これらの肺癌細胞では637nmと681nmにピークを有する特異蛍光波長パターンが観察された.50%アルコールまたは1%グルタールアルデヒドで固定後PH1008と反応させた場合も、肺癌生細胞でと同様の蛍光波長パターンが観察された.しかし、この検討ではPH1008を1mg/mlと高濃度で使用せざるを得なかった.(2)ポルフィリン誘導体と肺癌細胞の結合特異性:PBSに溶解したPH1008自体の吸収スペクトラムは378nmにピークを有することより、441.8nmより短波長の400nmを励起波長とした分析では、PH1008濃度を0.1-1μ/mlと極めて低濃度でも分析可能であり、肺癌細胞との結合特異性について、基礎的な検討を行った.A549とPH1008の結合は0-37℃では差がなく、数秒以内に飽和し、温度依存性はなかった.PH1008とA549とは強い結合性を示し、PC-1,線維芽細胞および好中球とは弱い結合性を示した.この結合はトリプシン処理によっても変化せず、細胞膜を含む脂質成分と結合すると推察された.(3)レーザ誘起超微細顕微分光装置の開発:He-Cd LASER発生装置、CCDカメラ、光学顕微鏡を構成し、顕微蛍光分光装置を試作し、PH1008と反応させたプレパラート上のA549細胞をHe-Cd LASER光で励起し、680nmでの特異波長の蛍光強度の分布を検討した.PH1008による特異波長は核部分でなく核周囲で際だって高いことが知られた.[結論」以上の検討より顕微分光装置の励起光源をHe-Cd LASERから励起波長が400nm前後の短波長を発生する半導体レーザーに変えることにより、実用化が可能と考えられる.
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