研究課題/領域番号 |
05152021
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小池 和彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (80240703)
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研究分担者 |
飯野 四郎 聖マリアンナ医大, 医学部, 教授 (30010309)
森屋 恭爾 東京大学, 医学部(病), 医員
四柳 宏 東京大学, 医学部(病), 助手 (30251234)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1993年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | B型肝炎ウイルス / HBx遺伝子 / トランスジェニックマウス / 肝発癌 |
研究概要 |
2系統のHBx遺伝子トランスジェニック雄マウスを24ヵ月にわたって解析した結果、、以下の点が明らかになった。 1)HBx遺伝子を高度に発現する系統では13ヵ月齢から肝腫瘍の発生が始まり、発生率は推計学的に増加し24ヵ月で85%となった。これに対して二コピ-をもつマウスでは約30%に、そして一コピ-のみをもつ低レベル発現マウスでは、約6%とバックグラウンドのレベルでしか肝腫瘍は発生しなかった。肝発癌のためには、あるしきい値以上のHBx遺伝子の持続的な発現が必要と考えられる。 2)HBx遺伝子の発現は生直後から認められ、細胞質に空胞化をもつ肝細胞(変異肝細胞)群は約2ヵ月齢から発生した。この細胞巣中の肝細胞ではDNA合成の亢進が見られたが、12ヵ月齢までは不変であった。HBx遺伝子は肝細胞のDNA合成亢進をもたらし、発癌準備状態とするが生体内の肝発癌のためにはさらに独立したイベントの蓄積が必要と思われた。 3)HBxトランスジェニックマウス肝を抗HBx抗体を用いて免疫沈降したところ、14kd、24kd、52kd、58kdの蛋白がHBx蛋白と共沈した。これらの蛋白の同定を行なっているところである。 4)HBxトランスジェニックマウス肝において、Fas抗原mRNAの発現亢進が認められた。肝発癌への関与、HBx蛋白との関連について検討中である。
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