研究課題/領域番号 |
05152028
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡 芳知 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70175256)
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研究分担者 |
犬飼 浩一 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
石原 寿光 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
片桐 秀樹 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
浅野 知一郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70242063)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 糖輸送担体 / アンチセンス / 増殖 |
研究概要 |
糖取り込み活性の上昇は、細胞癌化の際の最も特徴ある変化のひとつである。これには、膜蛋白であるグルコーストランスポーター(糖輸送担体)の発現の増加が寄与している。糖輸送担体には、グルコースに対する親和性、輸送のVmax、組織分布、さらには細胞内分布も異なった少なくとも5種類のアイソフォームが存在するが、癌化の際に発現されるのは高親和性のアイソフォームである。 高親和性のアイソフォームであるGLUT1をCHO細胞に大量に発現させたところ、低濃度のグルコース存在下では、グルコース輸送とグルコース利用の増加のみならず、チミジン取り込みの増加が認められ、細胞増殖を促進することが認められた。しかしアンチセンスオリゴ導入による増殖抑制は困難であった。これには、オリゴの低い導入率と不安定性によると考えられたが、Sオリゴを用いても同様の結果であった。 GLUT1の細胞膜へのターゲテイングについてキメラ糖輸送担体を作製した結果、GLUT1のN末端部位だけではなく、、アミノ酸残基79-128とアミノ酸残基300-327の部位が細胞膜への発現に重要であった。また、膜貫通部位1と2の間に存在する糖鎖が欠けると、細胞膜へのターゲッティングが障害され、細胞内での崩壊が促進された。 すなわち、癌化の際に発現が増加するGLUT1は高親和性ばかりでなく、細胞膜へ発現されるシークエンスを持つことにより、グルコースの取り込み増加を達成している。
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