研究課題/領域番号 |
05152044
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
奈良 信雄 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00142258)
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研究分担者 |
東田 修二 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80251510)
黒川 浩 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50242201)
村上 直己 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50143582)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 急性白血病 / 白血病幹細胞 / サイトカイン / 造血因子 / 制癌剤 / 自己再生能 / 白血病治療 |
研究概要 |
急性白血病患者における白血病細胞の無制限の増殖は、白血病細胞集団の中のごく一部の白血病幹細胞によって支持されている。白血病幹細胞は終末分裂能によって多数の子孫たる白血病細胞を供給し、自己再生能によって細胞集団の存続を図るとされる。そこで、まず白血病患者の予後を規定する要因の検討を行った。その結果、白血病幹細胞の自己再生能の強弱が、白血病患者の寛解導入並びに生存期間を規定する事実が見出された。この事実に基づき、白血病の治療成績を向上させるには、白血病幹細胞の自己再生能を抑止し、白血病細胞を根絶することが重要と結論された。 そこで、白血病幹細胞の自己再生能を抑制する制癌剤とサイトカインについて研究した。その結果、Cytosine arabinosideなどの制癌剤と、interferon-γ、tumor necrosis factor-αなどのサイトカインが白血病幹細胞の自己再生能を抑制し、白血病細胞の増殖を阻止しうることが明らかにされた。ただし、白血病幹細胞に対するサイトカインの作用は複雑であり、共存する造血因子の種類によっては、抑制したり、逆に刺激する現象が認められた。さらに、サイトカインによっては、白血病幹細胞の分化を誘導し、増殖を抑制しうるものもあった。たとえば、研究者が樹立した白血病細胞株LM1細胞株において、G-CSFはその増殖を刺激するが、GM-CSFやIL-3は分化を誘導し、増殖を抑制した。 以上の研究成果から、白血病幹細胞の自己再生能を制癌剤とサイトカインをうまく併用することで抑制できることが確認できた。しかし、サイトカインの作用は複雑であるところから、臨床に応用するには、さらに詳細な基礎的研究が必要であると結論された。
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