研究課題/領域番号 |
05152057
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
|
研究分担者 |
水谷 顕洋 名古屋大学, 医学部, 助手 (30242861)
渡辺 正人 名古屋大学, 医学部, 助手 (30220924)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | W-77 / CKA-1083 / P-糖蛋白質 / GST / 多剤耐性 |
研究概要 |
卵巣癌の薬剤耐性克服は治療上の重要課題であるが、P-糖蛋白質、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)がアドリアマイシン(ADM)の薬剤耐性に関わると言われている。我々はこうした薬剤耐性原因物質の活性を阻害する薬剤の創製、臨庄応用を目的としてスクリーニングを行った。 数百種類の薬剤をスクリーニングした結果、W-77、CKA-1083という2種類の薬剤にP-糖蛋白質、GST両者の活性阻害作用があることを発見した。更にこれら2種類の薬剤について、活性阻害作用の差異について検討したところ、 1)CKA-1083はGST活性を不拮抗的にW-77より強く抑制した。 2)CKA-1083はADM耐性株の細胞内ADM量を約3倍に増加させた。 3)CKA-1083はADM耐性を克服し、IC50を約10分の1に減少させた。 4)CKA-1083のin vitroでの毒性はW-77に較べて少なかった。 以上の結果から、CKA-1083はP-糖蛋白質とGSTとの両者を抑制し、ADM耐性を克服する画期的な薬剤であることが判明した。毒性に関しても少なく、将来的には臨床応用も可能な薬剤であると考えられる。 今後はCKA-1083のin vivoに於ける有用性を調べるために、ADM耐性卵巣癌を移植したヌードマウスを使って、CKA-1083のADM効果増強作用を検討する実験を行っていく予定である。
|