研究課題/領域番号 |
05152071
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野村 慎太郎 大阪大学, 医学部, 助教授 (80159087)
|
研究分担者 |
北村 幸彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028520)
廣田 誠一 大阪大学, 医学部, 助手 (50218856)
辻村 亨 大阪大学, 医学部, 助手 (20227408)
春日井 務 大阪大学, 医学部, 助手 (80214310)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | チロシンキナーゼ / 細胞接着 / 骨大理石症マウス / DNA結合タンパク / サブトラクション / マスト細胞 / マウスミュータント / ★骨細胞 |
研究概要 |
mi遺伝子に異常があるマウスは骨大理石症、小眼症、メラノサイト欠損症等重篤な症状を示す。これらの症状のかなり多くの部分はmiミュータントマウスにおいて癌原遺伝子であるレセプターチロシンキナーゼc-kit遺伝子の発現が抑制されていることによるものであることが判明した。我々によってmi遺伝子単離が遂行されているときにmi遺伝子そのものと思われる遺伝子の構造の一部が米国の研究者らによって報告された。この情報をもとに我々はその遺伝子を単離し、その遺伝子発現部位をin situハイブリダイゼーション法を用いて検討した。その結果、c-kit発現細胞とmi遺伝子発現細胞にはかなりの共通性が認められた。そのもっともたるものが肥満細胞(マスト細胞)である。実際にmi遺伝子の欠損のあるマウスにおいてマスト細胞の数の減少が認められ、これがc-kit遺伝子の発現に重篤な影響を与えていることがほぼ明らかとなった。我々はさらにこのmi遺伝子の影響が及んでいる遺伝子群がいかなるものかを同定するためにmi遺伝子に欠損のある培養マスト細胞において低いレベルで発現をしている遺伝子を我々の開発したcDNAサブトラクション法によって分離した。それらの構造を検討した結果、分離されたcDNAクローンの一つがマスト細胞特異的なプロテアーゼP6であることが明らかとなった。この遺伝子がmi遺伝子によって直接影響を受けているのか、あるいはc-kit遺伝子産物を介しているのかについては生物学的な検討より前者であることが予想されていたが、実際、P6遺伝子の5'上流にDNA結合蛋白であるmi遺伝子の結合領域を見いだした。現在、それを生化学的な手法によって証明すると共に、mi遺伝子を特異的に認識する抗体を作成している。
|