研究課題/領域番号 |
05152077
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古賀 正史 大阪大学, 医学部, 助手 (00186652)
|
研究分担者 |
宮下 義博 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
幸原 晴彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
笠山 宗正 大阪大学, 医学部, 助手 (10240839)
佐藤 文三 大阪大学, 医学部, 助教授 (30124770)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | レチノイド / アンドロゲン / 乳癌 / 線維芽細胞増殖因子 / 自己増殖因子 / c-myc |
研究概要 |
アンドロゲン依存性マウス乳癌細胞(SC-3)はアンドロゲン依存性に著明な細胞増殖促進を引き起こすのみならず、レチノイドであるレチノイン酸にても軽度ながら増殖促進が認められる。さらにレチノイン酸はweak androgen agonist(WAA)の細胞増殖作用を相乗的に促進した。本研究はこれらの分子機構の解明を目的に行った。SC-3細胞はアンドロゲンによりFGFファミリーであるandrogen-induced growth factor(AIGF)が誘導されることが判明しているため、AIGFのantisense oligonucleotides(AS)を用いて上記の現象を解析した。AIGF ASはアンドロゲン依存性増殖を完全に抑制したことによりAIGFがアンドロゲンによる唯一の自己増殖因子であることが判明した。しかしAIGF ASはレチノイン酸のDNA合成促進には影響を与えなかった。一方レチノイン酸のAWWとの相乗的なDNA合成促進に対してAIGF ASはほぼ完全に抑制した。この結果はレチノイン酸がWAAのAIGF合成促進のステップのレベルで相乗的に作用していることが示唆された。このことはNorhtern blotによるAIGF mRNAの解析にても同様の結果を得た。 最近我々はSC-3細胞においてアンドロゲン刺激によりc-myc mRNAが誘導されることを見いだした。さらにc-myc ASによりアンドロゲンおよびAIGFによるDNA合成促進が完全に抑制された結果よりAIGFのsignal pathwayにc-mycが必須の因子であることが判明した。c-myc ASはレチノイン酸によるDNA合成促進に対して影響を与えず、レチノイン酸とAWWのDNA合成促進に対しては抑制した。以上の結果よりレチノイン酸は単独でAIGF以外の増殖因子を介して細胞増殖を促進する機構と、AWWによるAIGFの誘導作用を増強する機構の2つのpathwayが存在することが明らかになった。
|