研究課題/領域番号 |
05152101
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
加納 英雄 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045475)
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研究分担者 |
甲斐 正広 札幌医科大学, 医学部, 助手
和田 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40182969)
今井 伸一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20213209)
坂根 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10183815)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1993年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | ジアシルグリセロールキナーゼ / ホスファチジン酸 / ホスファチジン酸ホスファターゼ |
研究概要 |
ジアシルグロセロール(DG)をホスファチジン酸に変換するDGキナーゼ(DGK)について、分子生物学的検討を行なった。DGKの逆向きの反応を触媒するPAホスファターゼについても、酵素精製に成功後(加納等、JBC,-92)、cDNAクローニング中である。最初にクローン化されたDGKアイソザイム(alpha型)は、ラット脳ではオリゴデンドログリア細胞に限局して発現しており、生後7週で発現最大となり、発育分化による転写調節を受けている(後藤ら、Mol.Brain Res.,-92)。DSKalpha遺伝子の転写調節機序を理解する目的でヒト染色体遺伝子をクローン化した(藤川等、BJ,-93)。この遺伝子は意外にもハウスキーピング遺伝子の特徴を持ち、5′フランキング部位には基本的なプローモーター活性が検出された。しかし本酵素の細胞特異的な発現機序の解明のために、さらに検討する必要がある。多数のDGKアイソザイムの存在が示唆されてきたが(加納等、Cell.Signal.,-93)、第3番目のヒトDGKgammaのcDNAクローニングを行なった(甲斐等、投稿中)。このアイソザイムはヒト網膜に特徴的に強く発現しているが、ほかの細胞、組織での発現は極めて少ない。さらに、脳と網膜以外の細胞、組織では25アミノ酸残基を欠損した、不活性型の酵素をコードする短縮型mRNAが発現していた。亜鉛フィンガー、EF-ハンドなどの基本構造は保持されていた。DGKの亜鉛フィンガーの機能を調べるために、この部位の点変異導入型、欠損型のcDNAを調製し、COS,Sf9細胞で発現させて、変異型酵素の性質を調べた(坂根等、投稿準備中)。いずれの変異体も弱いながらDSK活性を保持していた。一方変異体のホスファチジルセリン結合能が著しく低下していることから、DSKの亜鉛フィンガーはDG結合部位ではナく、リン脂質結合部位であることが示唆された。DGKの機能を調べるために、ブタDGKalphaを安定発現するNIH3T3細胞クローンを得て解析中である。前報(FEBS Lett.,-92)に一致して、これらのクローンの細胞内DG量は半減したが、細胞増殖能が著しく亢進していた。DGK発現による細胞増殖の機序を検討中である。
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