研究課題/領域番号 |
05152116
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
白井 俊一 順天堂大学, 医学部, 教授 (30115860)
|
研究分担者 |
篠崎 文子 順天堂大学, 医学部, 助手
野沢 慎吾 順天堂大学, 医学部, 助手 (90245697)
上田 源次郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (90203439)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1993年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
|
キーワード | B-CLL / MHCハプロタイプ / proto-oncogene / bc1-2 / 自己免疫 / New Zealandマウス |
研究概要 |
慢性リンパ性白血病(CLL)中95%以上はB-CLLであり、しかもその大部分はCD5分子を持つCD5B(B1)細胞由来である。我々は、自己免疫疾患を自然発症するNew Zealandマウス系で病的自己抗体を産生するB細胞の起源を調べてみたところ、これらはCD5B細胞であった。また、このCD5B細胞の抗体遺伝子のクラス転換や点突然変異などは、特定の主要組織適合複合体(MHC)ハプロタイプH-2^d/H-2^zに強く拘束されることが判明した。 成果【.encircled1.】今回、我々はこのH-2^d/H-2^zハプロタイプを人為的変換したH-2^z/H-2^zcongenicマウス系で自己抗体の産生が抑制され、代わりにB-CLLが高率に発生することを発見した。【.encircled2.】B-CLL好発系には、加令に伴い末梢血中にCD5陽性B細胞の増殖が認められた。これらのB細胞は除々にoligoclonalからmonoclonalへと変化し、結果的に可移植性のCD5^+B-CLLが発生した。【.encircled3.】proto-oncogenebcl-2の発現について調べたところ、B-CLL細胞はもとより、oligoclonalな前癌状態の細胞においても発現増強が認められた。 所見 これらのことから、【.encircled1.】アポトーシスを免れた長期生存可能なCD5陽性B細胞が自己増殖する過程において、腫瘍へ形質転換するものと考えられた。【.encircled2.】このモデルマウス系はB-CLL発生に関与する遺伝的素因や、その発生過程における他段階の発癌関連遺伝子の変化を解析するために有力な手がかりを与えてくれるものと考えられるし、【.encircled3.】また、自己免疫とB-CLLの発生に関与する共通した遺伝的素因の解析にも役立つものと考えられる。
|