研究課題/領域番号 |
05152127
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
佐方 功幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (80142024)
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研究分担者 |
西澤 真由美 久留米大学, 分子生命科学研究所, 研究補助員 (10237696)
古野 伸明 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (80219120)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1993年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | c-mosがん遺伝子 / アフリカツメガエル卵 / NIH3T3細胞 / 受精 / 細胞がん化 / リン酸化 / 細胞周期 |
研究概要 |
1.c-mos産物(Mos)の機能発現の制御 Mosは脊椎動物の未受精卵を第二減数分裂中期で停止させる細胞分裂抑制因子(CSF)として機能する。受精におけるMosの分解は、受精卵の正常発生のために不可欠な出来事であり、がん遺伝子産物の機能発現が分解のレベルで調節されている稀有な例である。今回、様々な変異Mosを用いて、ツメガエル卵の受精におけるMosの分解機構を解析した。その結果、(1)Mosの分解にはN末端のプロリン(Pro^2)の存在、および隣接するセリン(Ser^3)の脱リン酸化が必要であること、(2)Mosの分解はユビキチン系によること、(3)Mosのユビキチン化部位は34番目のリジン(Lys^<34>)であることが判明した。以上の結果から、受精におけるMosの分解が、少数のN末端アミノ酸、そのリン酸化・脱リン酸化、およびユビキチン系によって巧妙に調節されていることが明らかになった。 2.Mosのシグナル伝達の解析 最近、Mosの機能がMAPキナーゼを介していることが示唆されている。Mosをツメガエル卵に注入すると、MAPキナーゼ以外に数種(例えば34kd)のタンパク質が早急にリン酸化されることが明らかになった。このことから、MosはMAPキナーゼとともに、他の何らかの基質もリン酸化し、その機能を発揮することが強く示唆された。 3.Mosによる細胞がん化機構の解析 前年度に、Mosが核に移行するタンパク質に働きかけ、細胞(NIH3T3)をがん化させる可能性を示唆した。そこで、核内で機能する原がん遺伝子で代表的なもの(c-myc、c-jun、c-fosなど)に関し、Mosとの共発現による細胞がん化能について検討した。その結果、それのみではごく弱いがん化能しかもたないc-fosが、Mosとの共発現によって、顕著な(相乗的な)がん化能を示すことが明らかになった。
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