研究課題/領域番号 |
05152134
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 純一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70176428)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 核内がん遺伝子産物 / 転写制御機構 / bcl-3 / NFκB / 分子生物学 |
研究概要 |
bcl-3遺伝子はB細胞性慢性リンパ性白血病にある頻度で見られる染色体転座の転座点に位置する遺伝子として同定された。我々は、この遺伝子の発現異常が細胞の癌化に深く関わると考え、Bcl-3蛋白質の機能について解析を進めている。以下に示すとおり計画2は進展し、また他の計画についても準備が進んでいる。各研究実施計画に沿って報告する。 1。細胞内Bcl-3蛋白質の生化学的解析:本計画に必須である抗Bcl-3抗体の調整に成功した。本抗体は、高抗体価で免疫沈降使用可、したがって、現在リンパ球活性化に伴うBcl-3蛋白質の変化について、解析中である。 2。Bcl-3蛋白質による転写制御:(1)κB配列依存性転写制御…Bcl-3蛋白質が転写抑制因子であるp50及びp52のホモ二量体のDNA結合を抑制し結果的にκB配列依存性の転写を促進することをトランスフェクション実験により明らかにした。(2)κB配列非依存性転写制御…κB配列を持たないプロモーターに対してもBcl-3蛋白質が転写を促進することを見い出した。特にretinoblastoma(Rb)遺伝子のプロモーターに対する促進効果が顕著であったので詳細に検討したところ転写因子E4TF1(GABP)及CREBが結合する配列がBcl-3による転写促進に必須であることが明らかとなった。この結果は新しいBcl-3による転写促進機構の存在を示唆しており詳細な検討を進めている。 3。Bcl-3と相互作用する蛋白質の探索:大腸菌で調整したBcl-3蛋白質をプローブにしたウエストウエスタン法によるスクリーニングを開始した。 4。Bcl-3によるin vitroトランスフォーメーションアッセイ系の確立:ラットの繊維芽細胞を用いて検討したがフォーカスの形成は観察されず、現在、リンパ球への遺伝子導入により検討を加えている。
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