研究課題/領域番号 |
05152140
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
濱田 洋文 財団法人癌研究會, 癌化学療法センター・分子生物治療研究部・部長10DA01:99999999 (00189614)
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研究分担者 |
脇本 浩明 財団法人癌研究會, 癌化学療法センター・分子生物治療研究部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / レトロウイルス・ベクター / サイトカイン |
研究概要 |
1.各種サイトカイン及び接着分子のレトロウイルス発現ベクターのパネルの作成:マウスの細胞からRNAを抽出し、RT-PCR法でサイトカインのcDNAをクローニングした。塩基配列に誤りのないことを確認した後、モロニーマウス白血病ウイルス由来のMFGレトロウイルスベクターのプラスミドDNAを構築した。パッケージング細胞株¢CRIPにトランスフェクトし、感染細胞への遺伝子導入効率をサザンブロット分析によって検索した。その結果、現在までに約20種のサイトカインについて、細胞1個あたり平均1〜4コピー以上という高効率の遺伝子導入が可能な高タイターの¢CRIPクローンを樹立できた。ELISA法などで蛋白を定量すると、例えばIL-6で1645ng/ml/48hr、IL-4で166ng/ml/48hrと高い発現が得られた。 2.サイトカインを発現する腫瘍細胞の作成:上記のようにして得られたレトロウイルスの発現ベクターを用いて、マウス腫瘍株B16、Colon26などに遺伝子導入を行なった。一晩の培養により、細胞1個あたり平均1コピー以上の効率良い遺伝子導入が容易に行なえた。また複数のサイトカイン遺伝子の同時導入も容易に行なうことができ、それぞれ高い発現が得られた。 3.ワクチン治療実験モデル:サイトカイン発現腫瘍を10,000ラッドの放射線照射により不活性化し、特異的ワクチンとして用い、B16マウスメラノーマ移植腫瘍の予防実験を行なった。皮下移植のモデルでは、GM-CSF発現腫瘍ワクチンが効果を示した。また脳内移植モデルでは、GM-CSFの効果はやや弱かったが、GM-CSFとIL-2の両方を発現する腫瘍ワクチンにより著明な生存期間の延長を認めた。またOK432(溶連菌製剤)などの免疫修飾剤は、単独による使用では非特異的で殆ど治療効果が得られないが、GM-CSFやIL-2などのサイトカイン発現腫瘍ワクチンと併用することによって、顕著な特異的抗腫瘍免疫の強化が得られることを見出した。今後、効果のあったサイトカイン・免疫修飾剤の組合せについて、さらに治療プロトコールの最適化を検討する予定である。
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