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Fas抗原の生理作用とその情報伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05152142
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関(財)大阪バイオサイエンス研究所

研究代表者

長田 重一  財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第一研究部, 研究部長 (70114428)

研究分担者 須田 貴司  〃, 第一研究部, 研究員 (70250090)
伊藤 直人  〃, 第一研究部, 研究員 (70223170)
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1993年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
キーワードFas / Fasリガンド / アポトーシス / 情報伝達 / サイトカイン / 受容体 / 細胞死
研究概要

動物の発生,分化過程において数多くの細胞が死ぬべく予定されており,その細胞死はアポトーシス(apoptosis)と呼ばれる機構で進行する。アポトーシスは細胞質,核の凝縮を伴い,また生化学的にはDNAの断片化を伴う過程である。ところでFasはTNF/NGF受容体群に属し,そのアゴニストとして作用する抗体は細胞のアポトーシスを誘導する。このことから,Fasは“Death factor"の受容体と考えられた。本研究はFasの本来のリガンドを同定するとともに,Fasを介したアポトーシスの情報伝達機構の解析を目的とした。まず,Fasの細胞外領域をヒトイムノグロブリンH-鎖と融合したキメラ遺伝子を構築し,動物細胞で発現し,精製した。このキメラタンパク質(mFas‐Fc)を用いて種々の細胞株を検討した結果,細胞障害性T-細胞株(CTL)であるPC60‐d10Sにおいて,Fasリガンドを発現することが認められ,かつそのCTL活性はmFas‐Fcにより阻害された。そこでd10s細胞のFACSを用いたsortingを16回繰り返すことにより,Fasリガンドをd10Sに較べ100倍大量に発現するサブラインd10S16株を樹立した。ついでこの細胞株を大量に培養し,その膜分画よりFasリガンドを分子量約4万の単一タンパク質として精製した。ついでd10S株よりcDNAライブラリーを作製し,発現クローニング法によりFasリガンドcDNAを単離した。そのアミノ酸配列から,FasリガンドはTNFと相同性を持つタイプII膜タンパク質であることが示された。一方,COS細胞を用いて発現させた組み換えFasリガンドはFasに結合し,アポトーシスにより細胞を死滅させた。この結果は,Fasリガンドは“a death factor"でありFasはその受容体であることを示している。また,FasリガンドcDNAを用いたNorthern hybridizationの解析から,Fasリガンドは活性化されたT-リンパ球での発現が認められ,CTLにおけるFasの寄与が明らかとなった。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Adachi et al.: "Aberrant transcription caused by an insertion of an early transposable element in intron of the Fas antigen gene of lpr mice" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 90. 1756-1760 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Itoh and Nagata: "A novel protein domain required for apoptosis:mutational analysis of human Fas antigen" J.Biol.Chem. 268. 10932-10937 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Ogasawara et al.: "Lethal effect of the anti‐Fas antibody in mice" Nature. 364. 806-809 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Suda et al.: "Molecular cloning and expression of the Fas ligand,a novel member of the tumor necrosis factor family" Cell. 75. 1169-1178 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Suda and Nagata: "Purification and characterization of the Fas‐ligand that induces apoptosis" J.Eep.Med.(in press). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Takahashi et al.: "Generalized lymphoproliferative disease(gld) in mice caused by a point mutation in the Fas ligand" Cell. (in press). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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