研究課題/領域番号 |
05152150
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
長尾 美奈子 国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 部長 (40100151)
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研究分担者 |
若林 敬二 国立がんセンター研究所, 生化学部, 部長 (60158582)
牛島 俊和 国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 研究員 (90232818)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | PhIP / APC / ヘテロサイクリックアミン / genomic instability |
研究概要 |
PhIP誘発ラット大腸がんにおけるAPC遺伝子変異の関与を明らかにすることを目的とし、先ずラット正常APC cDNAの塩基配列を明らかにした。 F344雄ラット肝よりRNAを抽出し、ヒトAPCのヌクレオチド配列をプライマー配列に用いて、RT-PCRで増巾し、direct sequentingでcDNAの全塩基配列を決定した。ヒトと高い相同性を示し、1ケ所に6塩基対の挿入が、他の場所に3塩基対の欠失があった。コーディング領域は、ヒトより3塩基対短かい8526ヌクレオチドで、ヌクレオチドレベルで86.2%、アミノ酸レベルで90.2%の相同性があった。次に得られたラットのヌクレオチド配列に基づいてプライマーを作成し、PCR-SSCP解析によりPhIP誘発ラット大腸がんにおける変異の有無を検討した。 2例の腺がんで、コドン1413のGGG部位から1個のG塩基の欠失が検出された。さらにこれら変異のあった腺がんのうち1個にコドン869で同様にGGGから1個のG塩基の欠失が検出された。検出された突然変異がすべてGGGからGGへの変異であったことから、この変異をPhIPのmutational fingerprintとして用いることで出来る可能性がある。 次にPhIP誘発大腸がんにおけるgenomic instabilityの関与を、microsatellite probeを用いて検索した。15の異なる染色体に分布する43種類のmicrosatelliteに対するプライマーを用いて、腫瘍DNAをPCRで増巾し変性条件下で泳動した。8例中2例の腫瘍で1繰り返し単位の延長が、少なくとも2つのloci以上で検出された。この事はPhIP大腸発がんにgenomic instabilityが関与していることを示唆するものである。
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