研究課題/領域番号 |
05152152
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
西條 長宏 国立がんセンター研究所, 薬効試験部, 部長 (00215526)
|
研究分担者 |
平家 勇司 国立がんセンター研究所, 薬効試験部, 研究員 (90260322)
西尾 和人 国立がんセンター研究所, 薬効試験部, 研究員 (10208134)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | Non-mdr多剤耐性 / Na^+K^+ATPase / シスプラチン / p34^<alpha±2>キナーゼ |
研究概要 |
mdrl遺伝子の関与しない薬剤に対する感受性の向上に関する基礎的研究 大多数を占める固形癌に対し有効な抗癌剤であるシスプラチンを含むアルキル化剤、トポイソメラーゼ1阻害剤などに対する薬剤耐性にはmdrlは関与していない。固形癌に対する化学療法の治療成績向上のためにはこれらの薬剤に対する耐性機構を解明しその克服法を開発する事が必須といえる。シスプラチンが細胞膜を通過する機構及び耐性株で蓄積が低下する機構は完全には解明されていない。Na^<+,>K^<+->ATPaseの発現と細胞内シスプラチン蓄積の関係を明らかにするためウアバイン耐性株を樹立しその特性を検討した。ウアバイン耐性株は母細胞と比べウアバインに対し2倍の耐性度を示すとともにシスプラチンに対し4倍感受性亢進した。細胞内へのシスプラチンの蓄積は母細胞と比べ2.7倍に増加した。ウアバイン耐性株では^<86>RB^+流入率よりみたNa^+,K^<+->ATPase活性は1.6倍に増加していた。又Na^+,K^<+->ATPase mRNAの発現も著明に増加していた。アンホテリシンB(AmB)、は細胞膜に作用する事によってシスプラチン耐性を克服すると考えられている。AmB処理によりシスプラチン耐性株では細胞内への抗癌剤蓄積が増加するとともに、DNA鎖間架橋が有意に増加した。DNA鎖間架橋の量とIC50は逆相関した。これらの事実からシスプラチンの細胞内への蓄積が肺癌細胞株のシスプラチン感受性を規定する重要な因子と考えられる。 DNA障害能を有する抗癌剤は細胞をG2期に集積される事が知られている。G2M期での細胞回転のregulatorとして作用するp34^<alpha±2>protein kinAseのリン酸化、脱リン酸化に及ぼすシスプラチンの作用を検討した。シスプラチンによりG2期に停止した細胞ではp34^<alpha±2>kinaseの脱リン酸化は認められなかった。すなわちシスプラチンはp34^<alpha±2>kinaseの脱リン酸化を阻害する事によりこのkinase活性を阻害し細胞周期の停止を引きおこすと示唆された。
|