研究課題/領域番号 |
05152154
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
矢原 一郎 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (60109957)
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研究分担者 |
宮田 愛彦 都臨床研, 細胞生物, 研究員 (70209914)
南 康史 都臨床研, 細胞生物, 研究員 (40181953)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ストレス蛋白質 / がん遺伝子産物 / SV40ラージT抗原 / カゼインキナーゼ II / HSP90 / 6量体形成 / 免疫共沈殿 / カルパイン処理 |
研究概要 |
1)SV40ラージT抗原とHSP90の相互作用:SV40でトランスフォームしたCOS細胞とその親株であるCV1細胞の粗抽出液より、SV40ラージT抗原(LT)とHSP90をそれぞれの特異抗体を用いて免疫沈殿した。免疫複合体に含まれる蛋白質をSDS-PAGEで分離し、ウェスタンブロッドで解析した。その結果、COS細胞でHSP90を免疫沈殿するとLTが、またLTを免疫沈殿するとHSP90が共沈殿することが明らかになった。この共沈殿はLTを発現している他の細胞株(例えばW126-VA4)の抽出液でも認められたが、CV1細胞の抽出液では認められなかった。次に、HSP90とLTをそれぞれ精製し、in vitroで複合体の再構成を試みた(われわれはHSP90とカゼインキナーゼIIの複合体の再構成に成功している)。精製したLTモノマーは温度、ATP依存的に2量体、3量体を経て6量体を形成した。この系にHSP90を添加すると、LTの6量体形成を促進することを見いだした。 HSP90の2量体形成に必要なドメインHSP90の大部分は2量体を形成している。精製したマウスHSP90をmカルパインで部分分解したところ、モノマーに分離した。カルパイン処理産物のそれぞれのバンドのN末端からのアミノ酸配列を決定したところ、どれも元の完全長のHSP90分子と同じ配列であった。この結果は、mカルパインはHSP90のC末端側を切断したことを示唆している。次ぎに、ヒトHSP90alphacDNAをin vitroで転写、翻訳すると2量体になることをnative PAGEで確認した。そこで、C末端より49個のアミノ酸が欠落するように改変したHSP90alphaを同様にin vitroで発現したところ、2量体を形成しなかった。一方、N末端より118個のアミノ酸を欠落したHSP90alphaは完全長のHSP90alphaと同様に2量体を形成した。これらの結果は、HSP90alphaの2量体形成にはそのC末端の部位が必要であることを示唆している。
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