研究課題/領域番号 |
05201207
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鬼木 甫 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40107107)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 高度技術社会 / 環境・資源 / 知識・情報 / 社会的意思決定 / 規制 / 知的環境 / 情報環境 |
研究概要 |
来たるべき21世紀の高度技術社会において、人類は、地球規模の環境・資源問題に直面すると予想される。これを解決するためには、社会の成員による自発的努力だけでなく、社会全体(国家あるいは世界)の意思決定に基づく諸政策が実行される必要がある。 また、環境・資源問題を解決するためには、国あるいは世界全体にわたる巨大規模の経済活動や複雑な経済制度の「転換」を必要とする。 本研究では、環境・資源問題に関する知識・情報の生成・伝達・使用について過去のケースを調査し、問題解決の方策が実行に移されるために必要な知的フローの水準がどのように決まるかを分析することを目的とした。 また、本研究では、環境・資源問題の解決に必要な経済活動・制度の「転換」という観点から、既存の産業組織、規制政策、新技術開発のための制度の問題点を発見し、若干のケースについて同問題解決に適する組織・制度・政策の設計を試みることを目的とした。 (1)環境・資源問題に関する知識・情報の生産・流通フロー量の計測と分析。 本研究では、知識・情報ストックがどの程度社会の各個人に「体化」されたかを示す同「フロー」量を計測し、同問題に関する知識・情報のフローが社会全体の意思決定に与えた影響を統計データをもって検証した。 (a)環境・資源問題に関する情報伝達「フロー」を、諸情報手段(新聞雑誌記事、テレビプログラム、学校教育用教科書、広告など)につき、データベースを使用して計測した。 (b)環境・資源問題に関して作成された法令・制令数、条例数のデータを収集した。 (c)上記2種のデータについて、時系列的に、また地域別(国・都道府県別)に関連の有無を調べた。 (2)環境・資源問題の解決に資する新技術の生成を円滑化するための制度・政策の考察。 (a)1960年代末-70年代に実施された自動車排気ガス規制を満たすための技術開発の跡づけ--同開発に投入された投資額の統計資料を収集した。 (b)同開発投資の社会的見地からの評価--同排気ガス規制が1960年代末-70年代でなく、自動車の大量生産が始まる以前からすでに課せられていた場合におこなわれたであろう開発投資額を推定し、実際の開発投資額と比較した。 (c)上記のケースを一般化して考え、環境・資源問題関連の新技術開発に関する制度、とりわけ知的所有権制度の問題点を分析した。
|