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環境倫理学思想の歴史的背景に関する科学史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05203202
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関青森公立大学

研究代表者

鬼頭 秀一  青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (40169892)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード環境倫理学 / ディープ・エコロジー / 原生自然 / Wilderness(ウイルダネス) / 自然保護 / STS / 科学技術倫理
研究概要

平成3〜4年度においては、1960〜70年代、特に欧米において出現した環境倫理学思想を、ウイルダネス(原生自然)概念の変遷を中心として歴史的分析の手法で検討し、歴史・文化的文脈や社史的文脈に位置づけ、相対化した。今年度は前年度までの歴史学的研究を踏まえて、非西洋社会への射程も包含するような新しい枠組の環境倫理学(STS環境倫理学)の理論の枠組みの構築とその基本的概念に関する基礎作業を行った。
新しい環境倫理学の基本的枠組の根幹は、人間中心主義vs人間非中心主義の対立図式の見直しにある。つまり、人間と自然の二分法を脱却し、人間と自然との関わりを全体的に捉えることにある。そこで自然との関係の在り方に関する概念装置として、「生身」(人間が、社会的・経済的・文化的・宗教的リンク[以後、「社会的リンク」と総称する。]のネットワークの中で自然と関わり、不可分な関係にある人間-自然系の在り方)と「切り身」(そうした社会的リンクのネットワークが切断され、人間が「自然」との間で部分的な関係を取り結ぶ在り方)という二つの概念を導入し、これらの概念装置によって「社会的リンク論」という理論体系を構築し、今までの環境問題や環境倫理学を再検討した。この理論の新しい点は、人間と自然との「全体性」を、さまざまなレベルで存在している社会的リンクのネットワークの総体として規定し直したことで、このことによって、現実の環境問題の分析や解決の道筋を客観的に研究するための方法論が可能になった。
さらに、近代科学技術をその新しい理論の枠組の中に位置づけ、科学技術倫理を根幹に据えた環境倫理学の構築が必要であり、可能であることを示し、その新しい環境倫理学を、STS環境倫理学と仮称した。このことによって、テクノロジー・アセスメントの意義を新たな地平で明らかにし、その意味でこの理論の実践的含意を明確にした。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 鬼頭秀一: "環境倫理とSTS" STS Yearbook '91/'92. 1993. (33-43)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 鬼頭秀一: "ウイルダネス(原生自然)概念と自然保護思想の成立" 伊東俊太郎(編)『環境の倫理と哲学』(朝倉書店). (印刷中). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 鬼頭秀一: "STS環境倫理学の構想-人間と自然の関係性の社会的の中から" 伊東俊太郎(編)『環境の倫理と哲学』(朝倉書店). (印刷中). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 鬼頭秀一: "環境保護思想あるいは環境倫理は、本当に環境保護に役立つのだろうか?" 朝日ワンテーママガジン. (印刷中). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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