研究課題/領域番号 |
05206206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
伊藤 友彦 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40159893)
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研究分担者 |
上田 功 静岡大学, 教育学部, 助教授 (50176583)
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 助教授 (50206299)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 幼児 / 語連鎖 / 獲得 / 過剰生成 / 第2言語 / 格助詞 / 音素 / 依存音韻論 |
研究概要 |
伊藤は、今年度は普通児における語連鎖の成立過程を検討することにし、特に「形容詞+名詞」の獲得過程で生ずる「ノ」の過剰生成(「形容詞」+ノ+「名詞」)について検討した。その結果は、「幼児における『ノ』の過剰生成」として、「Kansai Linguistic Society」に掲載された。その論文の中で伊藤は、「ノ」の過剰生成に関する3つの説(準体助詞説、格助詞説、補文標識説)を比較し、格助詞説が他の二つの説よりも、仮説の予測と矛盾するデータがないという点で優れていると論じ、さらに、従来の格助詞説の問題点を指摘するとともに、新しい格助詞説を提示した。 白畑は、上述の伊藤の研究を踏まえ、第2言語として日本語を獲得しつつある韓国人幼児(4歳)を対象として、「ノ」の過剰生成を検討した。その結果は、「幼児の第2言語としての日本語獲得と『ノ』の過剰生成-韓国人幼児の縦断研究」として、「日本語教育」に掲載された。その論文の中で白畑は、「ノ」の過剰生成は第2言語としての日本語獲得過程にも生じることを明らかにし、その統語カテゴリーは、伊藤が母語について検討した結果と同様、格助詞説を支持するものであったと述べた。 上田は幼児の音素獲得の順序を明らかにすべく、本年度は理論的基盤の整備をめざし、インディアナ大学のコーパスの分析を試みた。その結果は、「依存音韻論からみた音韻習得」として、日本言語学会において発表された。その発表において上田は、上述のコーパスでは、すべての幼児は5段階の素性分化を経て音素を獲得することを示し、この獲得過程は、依存音韻論の立場でうまく説明できることを明らかにした。
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