研究課題/領域番号 |
05206215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
〓中 直行 (財)実験動物中央研究所, 前臨床研究部, 主任研究員 (60173291)
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研究分担者 |
高田 孝二 (財)実験動物中央研究所, 前臨床研究部, 主任研究員 (70100930)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | クロスモダルマッチング / アカゲザル / オペラント行動 |
研究概要 |
ヒトの認知・言語行動を成立させる基礎のひとつに、視覚・聴覚などの異種感覚情報間の総合能力があると考えられる。本研究ではこの能力の系統発達について検討する目的で、アカゲザルにおける視覚刺激と聴覚刺激の間のマッチング行動について実験した。アカゲザル2頭を用い、白色ランプ、音刺激提示装置、レバー2個および餌皿を備えたサル用オペラント実験箱で実験した。各試行毎に点滅光と断続音を試行によりランダムに0.2秒もしくは1秒間隔で提示した。2個のレバーのうち一方をYESレバー、他方をNOレバーとし、両刺激の提示頻度が等しい試行ではYESレバー、異なる試行ではNOレバーへの選択反応を正選択としてバナナペレットで強化した。なお誤選択の場合はその試行でその後正選択側にswitchすれば、その時点で強化して試行を終了した。また刺激提示開始後120秒間選択反応がみられない場合はその時点で試行を終了した。このような試行を1日1セッションとして32ないし64試行与えた。マッチング行動訓練開始後現在までに33ないし34セッション実施した。各試行最初の反応の正選択率(正選択数/正誤両選択数)をみると、2頭とも初期には位置偏好が強く30ないし40%程度であったが、ほぼ20セッション目以後順調な増加がみられ、現在60%前後になっている。引き続き訓練を継続し、この値が80%前後となった段階で視聴覚両刺激の継続頻度を系統的に変化させ、本マッチング行動が視覚優位で行なわれているか、聴覚優位で行なわれているか、そのどちらでもないかを調べるテストを行なう。その後スコポラミンなどの薬物を投与し、薬物効果の面から本行動にかかわる神経機構について検索する予定である。本行動は形成が容易でないため、当初予定したラットとの比較は断念せざるを得ない状況であるが、他の霊長類等との比較を通して最終的にヒトの認知・言語の成立基盤にある情報処理能力についての系統比較を試みたいと考える。
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