研究課題/領域番号 |
05207101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
足立 明 北海道大学, 文学部, 助教授 (90212513)
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研究分担者 |
冨山 一郎 神戸市立外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50192662)
宇佐見 晃一 京都大学, 農学部, 講師 (10203506)
野間 晴雄 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (00131607)
福井 清一 九州大学, 農学部, 助教授 (90134197)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 農村研究 / 開発 / 東南アジア / 南アジア |
研究概要 |
本研究の目的は、アジアの農村での開発の導入過程を総合的に分析するための枠組の模索であった。特に、開発というものを西欧社会をモデルとして構成されてきた言説として捉える視角(視角A)と、そのような開発概念を前提として、実体的な開発導入過程の分析という視角(視角B)の統合を模索してきた。そのため、この1年間で4回の研究会を行ない、多彩な研究交流を行なってきた。 視角Aに関しては、開発儀礼やキャンペーンの分析を通じて、開発イデオロギーの流布に関して明らかにされた。また、日本の南方関与の分析を通じて、南方島民の位置づけに関する「文化的」語りと「実践的」語りの二重性によるイメージ形成が明らかにされ、この枠組みは日本によるアジアの農村開発という関与を通じた「低開発」の発明を理解する新たな枠組みを提示した。 視角Bに関しては、技術的進歩に関連した人間の主体的誘引についての普遍的な論理を検討し、その限界と展望が議論された。また、バングラデシュ農村を対象として、歴史学的、社会学的な分析から、開発導入の際の「官」と「農民」の間のギャップが示され、それについての今後の展望が明らかにされた。 しかしながら、今回の研究会の場では2つの視角間の批判や統合が必ずしも活発に行なわれたとは言えず、しばしば併置というかたちに終わった。今後は、研究会の場で語られなかった両視角間の認識論的、倫理的前提を言語化して、両者の橋渡しをし、第三の統合的枠組みを模索する必要があるだろう。
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