研究課題/領域番号 |
05208210
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
出口 弘 国際大学, グローバル・コミュニケーション・センター, 主任研究員(助教授) (60192655)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 法エキスパートシステム / 知識ネットワーク / 意味論 / 不透明文脈 |
研究概要 |
本年度の研究では法システムをマルチエージェントシステムとして捉えて報告者によって提案されている知識ネットワークによる内包的知識表現の枠組みを用いて法的推論に於ける自然言語処理の問題を分析した。マルチエージェントシステムとして法システムを考えるということは、主体(エージェント)の意味的活動に関するモデルを考えることである。自然言語で記述された法システムは、最も相互主観性の高い社会的な意味システムである。複数エージェントからなる意味の社会的循環の過程を解析するためには、本システムの意味論的分析が不可欠となる。本研究では、法エキスパートシステムという実務的な法推論システムを、複数エージェント間の内包的な意味処理に関する推論システムであると考えている。その上でそれを知識ネットワークによってモデル化して推論システムを実現することを提案し、そのための枠組みを提供することを試みた。我々の体系は、知識オブジェクトとして分節化された論理的推論システム(公理系)とその間の関係からなる知識ベースを参照しながら活性化された知識オブジェクトを状況に応じて構成して、論理的推論を行なうのが法的推論のストラテジーとなる。個別の知識オブジェクトの推論では、論理的知識表現に基づく推論システムを用いるので(知識表現には集合論の公理を用いているが)、プロローグによる法的推論システムとの融合をはかることは難しくはないと考えられる。知識ネットワークは、同時に構造化され型付けをされた意味辞書を与えるものであると見ることもできる。我々はこの知識ネットワークによる型付けされた概念辞書の論理的知識表現の可能性に着目した。本年度の研究では、これらの課題を自動車の取引に関する、主物、従物の関係に関する民法87条、民法91、92条の適応の例と、93条心理留保と94条通謀虚偽に関する例の二つを具体的にとって分析を試みた。そこでは取引主体A,B(C)と裁判官の各々が持つ意味場とその再構成が我々の枠組みで分析された。
|