研究課題/領域番号 |
05209214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
成田 吉徳 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (00108979)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 酸素発生錯体 / マンガン錯体 / 光合成反応中心 / マンガンポルフィリン / 陽極酸化 |
研究概要 |
1.マンガンポルフィリン二量体による酸素発生機能の最適化 酸素発生能を有するマンガン含有錯体の一つとしてマンガンカタラーゼはマンガン2核錯体を反応中心に持ち、過酸化水素の不均化を触媒している。この錯体は光合成反応中心のにある水の酸化酵素との関連において重要である。水の酸化酵素のモデル錯体を設計するための指針を得るためにカタラーゼ活性とマンガンイオン間距離の関連を研究した。マンガンイオン間距離を堅固に固定するために各種のスペーサー分子によりイオン間距離とその相対配置を調節したマンガンポルフィリン2量体を合成した。これらを触媒として過酸化水素の不均化反応を速度を検討したところマンガンイオン間距離が5Å程度のものは極めて高活性であるが、これより長くなるとその活性はマンガンポルフィリン単量体のものと同程度の低活性であった。一方、同位体標識過酸化水素を用いた実験、速度論的解析等により、これらの2量体と反応する1分子目の過酸化水素は2個のマンガンイオンと同時に相互作用し酸素・酸素原子間がホモリシスすることにより1段階でマンガン(IV)錯体を形成していることが結論付けられた。以上の結果より水の酸化における酸素発生においてはマンガンイオンと酸素がMn‐O‐O‐Mnの結合を形成できるような配置をとすことができるように錯体の設計を行なう必要があることが示唆された。 2.マンガンポルフィリン二量体の酸化による酸素発生 上記の結論をもとに植物の光合成反応中心に存在する酸素発生錯体は4核のマンガン錯体のモデル錯体としてオルトフェニレンにより結合されたマンガンポルフィリンを合成した。含水溶液中でこれらのマンガンポルフィリン2量体を触媒とし電気化学的に陽極酸化反応を行なったところ酸素発生が認められた。これらの錯体を含まない溶液中では酸素発生が認められないことからこの錯体が酸素発生を触媒しているものと結論付けられた。
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