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蛋白質工学を活用した鉄・硫黄酸化還元中心を持つ蛋白質の分子デザイン

研究課題

研究課題/領域番号 05209217
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

長谷 俊治  大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (00127276)

研究分担者 井手口 隆司  大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (60203121)
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード鉄・硫黄クラスター / 酸化還元電位 / 電子伝達
研究概要

本研究は、高等植物フェレドキシン(Fd)の[2Fe-2S]クラスターの物性とポリペプチド鎖由来の分子環境との関連を、蛋白質工学的手法を用いて明らかにすることを目的としている。これまでの研究により、[2Fe-2S]クラスターを保持し、電子伝達能を発揮するのに必要な分子環境を形成するには、クラスター近傍のアミノ酸残基にかなりの自由度があることが判明していたので、側鎖構造を大きく変化させたような新たな改変体を検討した。[2Fe-2S]クラスターに配位しているCys近傍の残基の側鎖を出来るだけ単純なものに置換することを基本とし、全ての天然のFdで水酸基をもつアミノ酸である39、46および47番目の残基を、Gly、としくはAlaに置換した。
野生型Fdの酸化還元電位は-345mV、S39Aは-353mV、S39A/S46A/S47Aは-311mV、S39A/S46G/T47Gは-162mVであり、46及び47番目の残基の側鎖を小さくすることで電位は大幅に上昇することが観察された。NADP^+の光還元や亜硫酸還元酵素(SiR)が関与する亜硫酸の還元とともに、非生理的な反応も同時に調べた。生理的な反応系で電子伝達活性を示さなかったS39A/S46G/T47Gは、シトクロムcの還元や自動酸化性では元の野生型よりはるかに高い活性を示した。つまり、この改変体はFNRを介してNADPHにより還元され、しかも受け取った電子を非生理的な電位の高い電子受容体へは、野生型よりも高い効率で電子を伝達できることを示すものである。また、SiRとの電子伝達活性では、S39A/S46G/T47Gはほとんど活性を持たないけれども、この改変体を野生型Fdと共存させると、野生型Fdの活性が阻害されることが観察された。そして、この阻害様式は拮抗的であり、阻害剤定数は野生型のミカエリス定数に匹敵することが判明している。したがって、この改変体Fdは野生型Fdと同程度の親和性でSiRに結合するけれども、SiRへは電子を伝達することができず、亜硫酸還元反応は起こらないと結論される。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Masato Nakai: "Acidic regions of cytochrome c1 are essential for ubiquinol-cytichrome c reductase activity in yeast cells" J.Biochemistry. 114. 919-925 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 長谷俊治: "酸化還元代謝反応からみたプラスチドの多様性" 植物細胞工学. 5. 378-386 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 長谷俊治: "植物型フェレドキシンとフェレドキシン依存性酵素との電子伝達機構" 蛋白質核酸酵素. (印刷中).

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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