研究課題/領域番号 |
05209225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 教授 (90112391)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 機能修飾電極 / 酸化インジウム / フェレドキシン / ミオグロビン / 変異分子 / 分光電気化学法 / 酵素触媒電極反応 / 分子変換 |
研究概要 |
本研究では、これまでの研究結果を基礎として金属タンパク質の電子移動制御が可能な機能性修飾電極を開発応用して、金属タンパク質の特異な機能を解明するとともに生体分子を用いた精密化学反応への展開を計ることを目的としている。本年度の研究成果の要点は以下のとうりである。 1.フェレドキシンの電極反応制御のために、In_2O_3電極をポリペプチド水溶液に浸せきする方法あるいはカチオン性アミノ基を有するシランカップリング試薬と反応させる方法で、安定な機能性修飾電極を得た。これらの電極によって、電気化学的手法でフェレドキシン(Fd)の機能評価が可能となった。例えば、発生学的に保存されたアミノ酸を位置選択的に置換したFdの変異分子について、セリン39やセリン46、スレオニン47の3箇所についてアラニン、グリシン、グリシンで置き換えたものの酸化還元電位は、NADP^+の還元電位よりも貴な電位までシフトし、酵素反応によるNADP^+の還元反応が、進行しないことが明らかになった。 この種機能修飾の電極を用いてFdの電極反応を制御することで、Fd-NADP^+-リダクターゼを介したNADPHの生成や共役酵素反応が進行することも確認された。 また、耐熱性細菌由来の7Fe型Fdの電子移動反応の計測も可能である。 2.市販品を精製した馬心筋およびクジラ由来のミオグロビン(Mb)は、いずれも高親水性表面を有するIn_2O_3電極上で明瞭かつ安定な酸化還元波を示した。不均一電子移動速度定数は、In_2O_3電極表面の親水性と良い相関性を示し、特に、クジラMbでは馬由来のものより高い親水性表面でのみ電気化学応答が得られた。 3.通常の市販品の5mmセルを用いてサンプル量が0.5ml以下でUV-Vis.およびCD・MCDスペクトルのin situ 測定が可能な簡易セルを作製し、Fdの酸化還元反応過程のCD及びMCDスペクトル変化や動的反応過程の追跡、FdをメディエイターとしたNADP^+の還元反応のモニターが可能であることを示した。
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