研究課題/領域番号 |
05210210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
杉本 直己 甲南大学, 理学部, 助教授 (60206430)
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研究分担者 |
佐々木 宗夫 甲南大学, 理学部, 教授 (90025396)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 核酸の二次構造 / 核酸の安定化エネルギー / リボザイム / 最近接塩基対モデル / アンチセンス法 / 核酸のエネルギー・パラメータ |
研究概要 |
本研究では、最近接塩基対モデル(Nearest Neighbor Model)を基に、核酸構造に関与する相互作用として水素結合とスタッキングを考慮して、ワトソン・クリック型RNA塩基対の安定化エネルギーDELTAG^0を算出し、オリゴヌクレチド二重らせんの安定性を予測した。一方、オリゴヌクレオチド二重らせんの安定性を実験的に決定し、予測値と比較検討した。さらに、ワトソン・クリック型RNA塩基対からなるオリゴヌクレチド二重らせんのDELTAG^0に及ぼす非塩基対部位の影響を定量的に求めた。得られたエネルギー・パラメータの値を基に、ハンマーヘッド型リボザイム及びテトラヒメナ・リボザイムの二次構造の安定化エネルギーを算出し、リボザイムの構造と機能の関係を解明した。 従来のパラメータが1M Na^+中でのものであったの対し、本研究で我々が算出したパラメータは6mM Mg^<2+>中でのものであり、実際のリボザイムの反応系での条件と同等であり、本研究での最近接塩基対パラメータの信頼性は高い。特に顕著な成果は、ハンマーヘッド型リボザイムの安定化二次構造がその自己切断活性と密接に関係することが定量的に示されたことである。自己切断反応の最適条件である37℃における計算結果は、実験から求められた二次構造をよく再現した。一方、反応があまり進行しない10℃における二次構造の結果は、37℃のものとはかなり異なった様相を呈した。特に顕著な違いは、切断部位がマルチブランチ領域ではなく、ステム領域になることである。この結果は、切断部位が二重らせん部位にあると、ハンマーヘッド型リボザイムの反応は進行しないことを示唆するものである。
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