研究課題/領域番号 |
05211203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20113623)
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研究分担者 |
山本 正樹 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (00137887)
石崎 武志 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (80212877)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 分子動力学 / 固液界面 / 形態形成 / 界面張力 / 氷結晶 / 界面カイネティクス |
研究概要 |
1.氷-水(固液)界面の構造の分子動力学法によるシミュレーションを行なった。使用した水分子のモデルは、TIP4Pで、それぞれ288個の水分子でできた結晶と水の構造をもつセルを合体させて、界面の初期モデルを作製した。これをシミュレーションの初期条件として計算を行ない、氷-水界面の構造と動的性質について解析を行った。特に、氷の結晶の方位を変えて界面の面方位が{0001}と{1010}の場合について計算を行ない、界面構造の面方位による違い(異方性)に注目した。その結果、界面では数分子層にわたって構造が連続的に変化することが明らかになり、その微細構造は面方位に依存して異なることも明確に示された。固液界面構造の異方性が示されたことは、従来にはない全く新しい結果である。その他、固液界面における水分子の密度プロファイル、配位数、水素結合数などが解析され、これらを基に界面の動的性質の議論を行なった。 2.過冷却水からの氷結晶の成長における形態形成実験も引き続き行なった。氷の形態形成を支配する因子として、界面張力と界面カイネティクスの三次元的な異方性を考慮する必要がある。本年度は、この二つの因子の影響を独立に評価するための測定を行なった。その結果、形態不安定の発生は主として界面カイネティクスの異方性に支配されることが明らかになった。 3.氷結晶の表面及び界面の微細構造が、温度や面方位に依存して大きく変化することが実験と計算機シミュレーションの手法で明らかにされ、これらが結晶の成長機構や形態形成機構に果たす役割が実証された。これは、氷結晶を用いた本研究の最も重要な成果である。
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