研究課題/領域番号 |
05211215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
万波 通彦 京都大学, 工学部, 教授 (60025294)
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研究分担者 |
藤居 義和 京都大学, 工学部, 助手 (80238534)
木村 健二 京都大学, 工学部, 助教授 (50127073)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 斜入射イオン散乱 / 表面ステップ / 反射イオン強度振動 / 2次元核成長 / 鏡面反射イオン分光法 / Layer-by-layer成長 / GaAs / エピタキシャル成長表面のその場観察 |
研究概要 |
「鏡面反射イオン分光法」という、表面及びエピタキシー薄膜の新しい評価法を確立した。これまで、結晶表面にほぼ平行に運動する高速イオンの散乱現象について詳細な研究を行い、関わりあるいくつかの現象を明らかにしてきた。そして、特に表面原子配列に敏感に依存する現象を選び、エピタキシャル成長過程における結晶表面の原子構造を探る研究を行ってきた。斜入射イオン散乱では、特に、イオンの散乱角度分布が結晶表面のステップに敏感である。これを利用して、エピタキシャル成長中の結晶表面で高速イオンを斜入射散乱させ、散乱イオンの角度分布の「その場」測定により、成長膜表面構造の研究を行った。これまで「その場」測定に使用してきたイオン散乱迅速測定装置に、今回オシロスコープを加え、結晶成長中の散乱イオン強度のその場観察を可視化した。この計測システムを用いて、鏡面反射イオン分光により、3keVのHe+イオン、3keVの中性He、0.5MeVのH+を使って、GaAs(100)のMBE成長とPbSe(111)表面の気相成長のその場観察を行った。その結果、いずれの場合にも、反射イオン強度がそれぞれの1分子層の成長に対応した周期の振動を示すことを、イオンを使った測定において世界で初めて発見した。このような微小角斜入射イオンは、表面の個々の原子を見ずに原子面を見ており、反射イオンの強度は、表面上のステップ分布と密度の情報を直接的に反映したものである。強度振動の振幅の入射角依存より、ステップ密度の変化量を求めることが出来た。これらの結果より、鏡面反射イオン分光が、Layer-by-layer成長の実時間観測に使用でき、このような成長表面の、その場研究における有力な解析方法となることを示した。また、入射粒子にHe原子等の中性粒子を使用することで、絶縁性の結晶の成長におけるその場観察のような、RHEEDで出来なかった分野の研究への可能性を示した。
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