研究課題/領域番号 |
05211216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中山 弘 神戸大学, 工学部, 助教授 (30164370)
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研究分担者 |
上田 一之 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029212)
西野 種夫 神戸大学, 工学部, 教授 (60029452)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 分子線エピタキシー / 吸着確率 / 原子配列秩序 / 吸着構造 / 混晶半導体 |
研究概要 |
本研究の目的は、MBE成長のGaAsにおける成長表面の原子的構造の動的な変化に注目して、表面安定構造の形成とその相転移という観点から結晶成長のカイネティックスを明らかにするところにある。本年度は、GaAs系擬二元混晶半導体の原子配列の人工的制御を念頭において、実験、理論両面から擬二元混晶半導体の原子配列を規定する諸因子の解明とその制御に関する指針を得ることを主眼として研究を行った。本研究の主要な結果を列記すると、(1)GaAs(001)-2x4-As上に形成されたGa単原子層の成長過程は、2x4(diffuse),3x^*(^*は3x1構造であるがdiffuse(散漫)であることを示す。)4x^*、2x4(diffuse)と推移するのに対し、InAs(001)-2x4-As再構成表面上では、2x4(diffuse)から4x^*、c(8x2)と推移する事が明らかになった。このInとGaの吸着構造の違いは、優先的な吸着サイトと吸着様式の違いに起因している。また、GaAs(001)-2x4+c(2x8)-As面上のGa,In二元系吸着構造に関しては本研究の結果、初めて詳細な二元系(組成-被覆率)状態図が作成された。(2)サイト相関吸着確率を用いて、分子線エピタキシー過程における付着係数を定式化することによって、In,Ga原子の到達分子線フラックス比の関数として、混晶組成を確率論的に計算するための理論化を行い、分子線エピタキシーにおける到達分子の付着係数は原子間相互作用を取り入れたサイト相関吸着確率モデルによってよく記述されることが明らかになった。(3)原子間相互作用を考慮して回りの原子配置に依存する局所的吸着確率をIsing型相互作用の形式でモデル化した。また、モンテカルロ計算によって、分子線成長の非平衡過程での原子配列における秩序とその乱れに関する検討を行い、その結果、In GaAs系のような擬二元系の原子配列秩序は、成長表面に存在する表面ダイマー結合の形成に起因する表面内での異方的な相互作用と原子層間の相互作用の型(同種原子間に引力が働くか異種原子間に引力が働くか)によって決定される原子吸着過程によって引き起こされることがわかった。
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