研究課題/領域番号 |
05212207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
浅田 雅洋 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30167887)
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研究分担者 |
小森 和弘 東京工業大学, 工学部, 助手 (20202070)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 半導体光増幅器 / 低次元量子井戸 / 量子細線 / 歪量子井戸 / GaInAsP / InP量子細線 / 雑音 / 雑音指数 |
研究概要 |
本研究は、低次元量子井戸である量子細線における光増幅機構を理論・実験の両面から解明して、将来の光ファイバ通信および光情報処理の基本デバイスとなる低雑音・高飽和に優れた半導体光増幅器実現のための基礎資料を得ること、および将来の半導体光集積回路化応用への基礎を確立し、その学問的基盤を形成することを目的としている。 本年度は、光増幅器の本質的性能である低雑音・高飽和特性が、歪量子井戸構造を導入することにより理論的にどこまで向上できるものかを理論的に明らかにすると共に、実際に量子細線・量子箱構造を有する半導体レーザ/光増幅器を試作して、その基礎的特性を明らかにした。 まず、歪量子薄膜半導体光増幅器の雑音特性の理論解析から、雑音指数は、無歪が4dB以上であるのに対して、圧縮歪を用いることによって約3.7dBまで、また、引張り歪を用いることによって理論限界(3dB)に近い3.5dBまで低減できることが明らかとなった。 われわれの提案している側壁への選択法を用いた半導体レーザ/光増幅器において、再成長界面、電流注入等の問題を改善したところ、この作製法では初めて量子細線のレーザ発振動作(77K、パルス)を達成した。また、この量子細線レーザから、量子細線固有の偏波特性を確認した。 EB露光及びウエットケミカルエッチングによって歪量子細線・歪量子箱を作製し、PL測定によりサイズ依存性、歪依存性を調べた。特に圧縮歪量箱において顕著な量子効果が確認された。実際に、歪量子箱を活性層に有する半導体レーザ構造を作製し、初めて、量子箱レーザの発振動作(77K、パルス)を達成した。 また、キャリア注入に関しては、歪量子細線レーザのホール捕獲時間の測定を行い、量子薄膜レーザの捕獲時間と同程度の値を得たことにより、量子細線においてもキャリア注入に問題がないことが明らかになった。
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