研究概要 |
ルールベースに適用すべきデータセット(DS)を選定するメタルールを学習させる事により,ルールベースの洗練化効果を安定させる枠組みを考案した.最初に,初期ルールベース(IRB)とDS群をルール実行部に与えて実行し,DS群をある評価基準により成功DSと失敗DSに分類する.次に,分類されたDS群から,ルールインダクションを適用して決定木を作成する.決定木の根節点から葉節点までのパスが,葉節点に含まれるデータ群を選択するための一つのメタルールとなる.さらに,得られたメタルールベースを用いて,DS群からIRBを洗練化するための学習DSを選択し,IRBとその学習DSをルール洗練化機構に与え,4種類の洗練化戦略(一般化,特殊化,ドメイン,タスク)を繰り返し適用しIRBを洗練化する.最終的に,DS選定ルールベースにより未知DSをスクリーニングさせて,洗練化ルールベースを実行し評価する.本枠組みを株式市場テクニカル分析ルールベースを洗練化する問題に適用した結果,DSを選定するためのメタルールの付与,並びに,ルールベースの洗練化を単独に実行しただけでは,洗練化されたルールベースがIRBより常に良い性能を発揮するとは限らなかった.しかしながら,その両方を実行すれば,ルールベースの洗練化効果が安定し,洗練化されたルールベースがIRBより常に良い性能を保持する事が判明した.今後は,経済環境が大きく異なるデータセットに対する洗練化効果の維持が大きな課題である.
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