研究課題/領域番号 |
05213211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上原 邦昭 神戸大学, 工学部, 助教授 (60160206)
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研究分担者 |
中條 拓伯 神戸大学, 工学部, 助手 (80217736)
前川 禎男 神戸大学, 工学部, 教授 (20031057)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 概念形成 / 機械学習 / 理論形成 / 帰納的学習 / 類推 |
研究概要 |
概念形成、理論形成などの知的創造機能を実現するための基礎研究として、本研究課題では以下のテーマに重点を置いて研究を行なった。 1 訓練事例集合の典型的な特徴から、平均的なカテゴリーとの距離(連想度と呼ぶ)をもとにして、事例のカテゴリー概念を学習するアルゴリズムPBLを開発した。また、アルゴリズムの平均的な振舞いを理論的に解析する平均的事例解析を導入して、PBLの定量的な特性を解析した。その結果、PBLはQuinlanの開発したID3などとほぼ同等あるいはそれ以上の性能を持つこと、事例の欠落や誤りに強いことなどが判明した。 2 類推を用いて与えられた物理現象の理論形成を行うシステムを開発した。本システムは、与えられた物理現象の観測データと類似した過去の物理現象との類比を基にして、物理現象を説明づけるための理論を形成するシステムである。本システムには、部分的な類似性を考慮して、複数のベースとターゲットとの部分的な類比を発見する、複合類推と呼ぶ推論メカニズムを導入している。このため、システムがターゲットと部分的には類似しているが、現象全体としては類似していないソースのみを保持している場合でも、類推を用いた理論形成が可能となっている。 3 競合する複数のエージェントが存在するゲームの領域において、過去の問題解決の経験から戦略プランを学習するシステムを開発した。本研究では、ゲームの状態を抽象的に表現するために、基本プランと呼ぶ概念を導入している。本研究では、予めゴール達成までの状態変化が与えられていると仮定して、基本プランの時間的な因果関係に基づいて、ゴール状態から逆に遡ってゲームの各状態を解析することにより、ゴール達成に関係のある必要最小限の基本プランに絞って解析を進めるようにしている。また本システムには、獲得された戦略プランを洗練化するために、失敗の経験を通じて戦略プランの制約条件を学習するメカニズムを導入している。
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